14日目 ページ15
「梵天……?」
首を傾げると、三途君は機嫌よく笑った。
「お前、ほんとになんも知らねぇのな。
知識は大事だぜ。知りませんでしたが通用にねぇのが世の中ってもんだからなァ。」
何も言い返せなくて黙り込む。
それを見た三途君がまたケラケラと笑った。
「まあ簡単に言うと裏社会の頂点ってことだ。
マイキーはそこのボス。俺は2番目。
わかるか?お前は今、ヤベー奴を家にあげて、更には飯まで振舞おうとしてる。」
私は目を見開く。あの万次郎が人の命を奪うはずない。昔から喧嘩は強かったけど、仲間思いでとても優しかった。
そんな万次郎がなんで……
「……壊れちまったんだよォ。マイキーは。
まあ俺にとっちゃあ好都合だな。梵天にはマイキーみたいなボスが必要だからよ。 」
だからあんなにやつれて、目が虚ろだったんだ。
万次郎の今の姿を見ると、胸が締め付けられる。
「……万次郎は、元気ですか。」
咄嗟にでた言葉はそれだった。
三途君は呆れたように溜息をつき、頭をかいた。
「あのな、マイキーの心配もいいけどよォ、少しくらい自分の心配もしてみたらどうだァ?お前、梵天のトップ2を家に入れてるわけよ。それを反社の奴が目撃したら?……お前、殺されんぞ。」
確かに、裏社会の頂点に君臨する梵天の主力を2人家に招いて、なんならご飯まで振舞っている。
改めて自分のした事を思い返してみると目眩がした。
「オォ?ようやく自分が今どんな状況か分かってきた訳かァ?そんなお間抜けさんに、1つ提案がある。」
お間抜けさん……
三途君の口からお間抜けさんという言葉が出たので
ちょっと意外だ。拍子抜けして、思わず笑うと三途君が少し恥ずかしそうに咳払いをして、私の方をじっと見る。
そして、驚きの一言を放つ。
「……お前、梵天に来いよ。」
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雪ん子(プロフ) - 最高です!!ってことは最終話軸?最終話時空の話見るの初めてなので何だか新鮮でした!! (7月23日 11時) (レス) @page30 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 瀬琉チャン.さん» コメントありがとうございます。そう言って貰えて光栄です……! (2022年8月6日 2時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
瀬琉チャン. - とても深いストーリーに感動しました...!! 本誌の内容が良い感じに組み込まれつつハッピーエンドで完結できる作者さんの文才うらやましいです((( (2022年8月2日 23時) (レス) id: e12b8018fd (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 七瀬太さん» コメントありがとうございます!私もとても楽しみにしています! (2022年7月30日 16時) (レス) id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬太 - すごい泣ける🥹公式?の方の最新刊も本当に楽しみです! (2022年7月25日 16時) (レス) @page30 id: 320abee8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす | 作成日時:2021年9月24日 9時