【HQ!!】冷徹少女とバレー部員 (ページ8)

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羽が5枚ページ8

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明日なんて来なければいいのに、とか、今日の帰り、話も聞かずすぐに断ればよかった、とか、ズル休みしてしまおうか、とか、いっそのこと本当に体調悪くなんないかな、とか。

そう、何度思ったことか。そんなこと思っても、変わるはずはないし、休めるわけもない。忘れた振りをしてこっそり帰ろうかと思ったりもした。

けど、百合から

ゆりバレー部!どうだったか絶対教えてね!!

なんて送られてきたから、嘘をついて誤魔化せなくもなった。Aの思いは絶対に届かず、夜が更け(ふけ)、朝日が昇った。

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その日の授業は、いつもより早く感じた。

刻々と放課後が近づく。Aの中で部活に行かなければならない、行きたくない、という気持ちが大きくなって、気が気でなかった。出来ることなら、本当にこのまま帰ってしまいたい。

『じゃあね……』

廊下で3人と別れる。

伊織が、元気無いけど大丈夫？と心配してくれる。

迷惑なんてかけたくないから、

『大丈夫、大丈夫!心配性だな～伊織は』

なんて、違和感など無くなった作り笑い(・・・・・・・・・・・・・・)で誤魔化した。伊織は納得してなかったかもしれない。けれど、

｢頑張ってね。1週間なんてあっという間だから｣

と、Aを励ました。

｢昨日も送ったけどバレー部どうだったか報告してね！｣

｢うちにも頼むわ!まぁ頑張りや～｣

『うん。頑張るね』

バイバイと3人と別れを告げる。もちろん、作り笑いを浮かベて(・・・・・・・・・)。

3人の後ろ姿が見えなくなると、虚しさ(むなしさ)が込み上げた。誰にも迷惑をかけたくなくて、自分の気持ちを押し殺し続けてもう何年目だろう。“慣れ”と言うものは怖い。

気を抜くと涙が出そうだった。しかし、学校で泣く訳には行かないので、いつも通りの無表情に戻して、自分の荷物を持って更衣室に向かう。
早々と学校指定のジャージに着替えて、もうどうにもならないから、どうにでもなれ、と、心に決めて、バレー部が部活をしている第2体育館に向かった。