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練習後、｢清水の復帰祝いだ｣、と坂の下商店で肉まんを澤村に奢って貰うことになった。
｢はい。いつもありがとな｣
｢ありがと。ねえ、1つ質問なんだけど……｣
｢ん？どうした？｣
｢私が休みの間に何かあった？｣
その瞬間、外気が2℃くらい下がった気がした。
あ、いやぁ……と歯切れ悪く答えて顔を合わせる同級生。
｢あったか無かったかといえばそりゃ…｣
｢まぁあったけど……｣
｢簡単には口に出来ない話題だよなぁ｣
うんうん、と3人揃って頷きあっていて、なおさら気になってくる。試しに1年にも聞いてみた。
｢ねえ、私が休みの間に何かあった？｣
｢｢ありましたよ！｣｣
やっぱり答えると思った。他の1年生はまずいぞ、と顔を見合わせていた。
｢澤村、何があったの？｣
｢実はだな…｣
ポツリポツリと少しずつ話していく澤村。
臨時のマネージャーを田中と西谷が見つけてきて一週間ヘルプに入ってもらったこと。とても仕事のできる子だったこと。最終日、彼女を怒らせてしまったこと。
｢……という訳なんだ｣
｢最後に怒った理由、どう考えてもこっちに非がある。｣
｢あ、やっぱり？｣
また謝らないとなぁ……と呟く澤村。
｢でも、明日すぐにはやめた方が……｣
｢きっとあっても知らないふりか、無視される気がする……｣
菅原と東峰も謝ることには賛成だが、明日謝ることには反対のようだった。
｢じゃあ俺から言っておきましょうか？｣
おずおずと声を出した縁下。
｢あっ、それがいいべ！｣
縁下に何か関わりがあるのか聞けば、同じクラスみたいで。
｢多分俺らが行くよりも…｣
｢縁下が言った方が早い｣
うんうんとうなずきながら、木下と成田も賛成した。
｢なあ、ちなみに今日は話したのか？｣
｢いや、話しかけるなオーラが出てたから…｣
田中の質問に、縁下が苦々しく答える。すると、西谷が驚きの声を上げた。
｢縁下はオーラが見えるのか!?｣
｢それは違う｣
｢えっ？｣
西谷にみんなからのツッコミが入る。しかし、突っ込まれた本人は何も理解しきれていないようでよくわからない、という顔をしていた。西谷…。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年7月29日 15時
