羽が12枚*菅原side ページ15
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ほ ん と に 来 た 。
これは、俺、菅原孝支だけじゃなく、ほとんどの奴が思ったと思う。まあ、当たり前っちゃ当たり前だべ。そうだよなぁ、今までいつもいつも飽きずに毎日、「「潔子さ〜ん!!」」って清水にうざがられてんのにべったりだったからなぁ…
そんな
やって来た子は、《かわいい》よりも《キレイ》とか、あの二人っぽく言うなれば、《美しい》とかいう言葉が似合いそうな、清水のようなタイプの子。
よく声かけれたなぁ……俺は無理だわ。
『あの、すみません』
そう、かけられた声は、思考を停めるのに効果は抜群だった。若干冷めた、冷たい声だった。大地と話をしているのを聞いて、結構礼儀正しい、いい子だと思った。
名前は片桐さんというらしい。下の名前は言わなかった。皆の前での自己紹介は、顔を見ようともしなかった。
そういえば、さっき大地の顔、見てたっけ?
皆の前でも、名前は名字の片桐だけ。下の名前は一言も触れなかった。
その後、大地と旭と相談して縁下にマネの仕事などを教えてやるよう指示をして、体育館を出ていったが、しばらくして、縁下が1人で戻ってきた。
「縁下、片桐さんは?」
俺は縁下に尋ねる。一人にしちゃダメだろ!
「えっと、仕事はもう知ってるみたいで、練習に戻って、と言われました」
「ふ〜ん、そうか」
じゃあ大地に報告して練習に戻って、と指示を出した。納得…せざるを得ないよなぁ。
臨時マネージャー1日目。思ったことは、
・キレイな子。田中&西谷風に言うなら、美しい子
・結構どころじゃなくて、だいぶ礼儀正しい、いい子
・マネージャーの仕事が出来るらしい
・どこか声が冷たい
・俺たちに深く干渉しないように、一線をひいている
・無表情
まあ、この6つだろう。
セッターだからこその観察眼のお陰で気づけたこと。これらはすべて、彼女の性格なのか、はたまた、わざとなのか。
詳しいことは何もわからなかった。
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作者名:七瀬月華 | 作成日時:2021年7月29日 15時