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1時間ほどかかって今日の目的地、モトキが行きたがっていた新しくできたカフェに着いた。
ここまで来るのに電車と歩き、長かったような短かったような。でもたくさん話せたなって嬉しかったり。
モトキはメニュー表を見て何にしようかな、って楽しそうにしている。
モ「俺ラズベリーとブルーベリーのパンケーキにしようかな。Aは?」
「んー、私はアメリカンチェリーのタルト。飲み物は、本日のコーヒーにしようかな。」
モ「じゃあ俺もそれ飲も〜。」
私のを確認すると「すいませーん」、と店員さんを呼んで注文してくれた。モトキはいつもそう。私が何を頼むか聞いて、私の分も一緒に注文してくれる。
優しいなって思うけど彼女にもこうなんだなって少しだけ悲しくなっちゃう。
モ「楽しみだねー。」
「ずっとニヤニヤしてるもんね。」
モ「え?俺そんなに顔に出てるかなぁ。」
そう言って自分のほっぺをむにむに触り始めた。
なにこの可愛い生物、写真撮りたい...。
しばらくして、注文したメニューが全部届く。
モ「ねぇA〜?」
「ん?」
フォークを持つとモトキに名前を呼ばれて顔を上げるとカシャッと音がした。
モ「嬉しそうな表情撮れた。」
「ちょっと、消してよ?絶対変な顔してるから!」
モ「そんなことないよ、可愛い。ほら。」
モトキに見せられた画面にはマヌケ顔の私がいた。これのどこが可愛いんだ、って頭の中でつっこんだけどモトキに可愛いって言われて嬉しくなった。そして私が今日どれだけおしゃれしてきたかがよくわかる写真だと思う。なんかすごい今更だけど、恥ずかしい。
モ「まあまあ、初デートってことで。」
「...彼女いるくせに。」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で本音が出てしまった。
モトキにはそれが聞こえたのだろう、少しだけ悲しそうな顔になった。
モ「はい、あーん。」
だけどすぐにいつものふにゃっとした笑顔に戻って自分のパンケーキを一口サイズに切って私に食べさせようとしてきた。
モ「アイス溶けちゃうからはやくはやく!」
...こうなったらもうどうとでもなれ。
全部モトキのせいだ。
覚悟を決めてそれを食べた。
「あ、おいしい。」
モ「Aのもちょーだい。」
同じことをすれってことだろうか。
恥ずかしさに耐えながらも頑張った。
モ「へへ、ありがとう。」
「どーいたしまして。」
モ「照れてる。笑」
「...うるさい。」
なんだか今日はすごく甘い日だった。
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らゆ(プロフ) - ヒデさん» 自分のオリジナル作品だと勘違いしていました、指摘ありがとうごさいます。 (2019年2月16日 2時) (レス) id: cb9b22eb8a (このIDを非表示/違反報告)
ヒデ - オリジナルフラグ、ちゃんと外して下さい。違反です。ルールをちゃんと理解の上作品を作って下さい。 (2019年2月15日 6時) (レス) id: f4ac4daed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らゆ | 作成日時:2019年2月15日 1時