temple ページ5
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さすがに居酒屋でキスするのはいかがなものかと、そこだけはお互い常識人で。
店からほど近いホテルへやって来た。
……いかがわしいホテルちゃうからね。
康二が今泊まってるらしい、ビジネスホテルのシングルルーム。
「狭くてごめんなぁ。ベッドの上座っちゃってええよ」
「ありがとう。
と言うかなんで東京いるん?出張?」
「いいや。来月から東京に転勤することになって、その準備で……
そもそも俺、何の仕事してるか言ったっけ?」
「いや、聞いてへん」
「やっぱそうやんな。まぁ営業マンやってんねん」
「へ〜!そうやったんや」
確かに似合いそう。
こーじは人見知りやのに、なぜか昔から喋り上手で人に好かれるタイプやったもん。
……ん?
人に、好かれる?
「なぁこーじ、」
「ん?何?」
「こーじは好きな人とか付き合ってる人とかおらんの?大丈夫?」
「めっちゃ今更やん……けどもし、別におったらこんなこと言わへんで」
「そっか、」
ひとまずこーじがとんでもないゲスになってへんくて良かったわ。
「……もぅ!そんなことAは考えんでええの」
そうじれったそうに言う康二の目に、ベッドライトの光が反射して揺らいだ。
私から25センチくらい隙間を開け、康二もベッドに腰掛ける。
「余計なことは考えんと……ただ、今は幸せになってくれたらいいねん」
康二の手が私の横髪を掬う。
……これから何か起こる。
そう直感的に思って。
顔を斜め下に向けたまま、目を伏せる。
けれど届いたのは、
「昔から髪サラッサラやな……」
優しい呟き、一つだけ。
広くはない部屋は、一瞬にして夜独特の静けさに包まれていく。
夜風が窓に当たってピュウッ、と音を立てる。
落ち着かなくなって、再びゆっくりとまぶたを開こうとした時だった。
「っ、……」
こめかみに柔らかな熱が触れた。
それは数秒であり、永遠のようでもあった。
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レイ(プロフ) - やいさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！もう少しペースを上げて更新していくので、お付き合い頂ければ嬉しいです。 (2021年4月30日 23時) (
レス) id: 836a209a6b (このIDを非表示/違反報告)
やい - 素敵なお話すぎて続きめちゃくちゃ気になります…！ (2021年4月30日 1時) (レス) id: cf87cebb1a (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 名無し63259号さん» ありがとうございます！ちゃんとスー頂きました(笑) (2021年3月15日 23時) (レス) id: 74aabe9229 (このIDを非表示/違反報告)
名無し63259号(プロフ) - さいこうです！更新頑張ってください！スーをさしあげます！！ (2021年3月10日 8時) (レス) id: d883dc3306 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春 | 作成日時：2021年3月8日 1時
