fingertip ページ7
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「ごめんな?こーじだって忙しいやろうに」
「全然気にせんでええで。俺もAと飲んでて楽しいし」
悩んでいるのに任せて送ってしまった飲みのお誘いメールを、康二はオッケーしてくれて。
康二が予約してくれたのは個室の焼肉屋さんだった。
「んで、今日は何かあったん?」
「え?なんで」
「だって弱ってそうやもん」
「……なぁ、こーじってもしかしてエスパー?」
「エスパーて。なんとなく思っただけやけど……その感じは当たり?」
「……うん」
「おぉ、俺すごない?
ってそれはどうでもいいねん。ほら、何か抱え込んでるんやったら、お兄さんに話してみなさい」
「お兄さんって。同い年やん。
……まぁ、抱え込んでる言っても小さいことやねんけど。仕事でちょっと厄介なお客さんに遭遇したってだけ」
「えぇ、それは大問題やん!誰やAに迷惑かけたやつは!」
「知らんおじさん」
「別にそこは真面目に答えてくれんでいいねん」
「ごめんごめん」
「……なあ、言いたくなかったらええねんけど、何かされたりしたん?」
「別にこれと言ってはないねん。来た時からすでにいらいらしてはって、フロントのペンの書き心地が悪いってイチャモンつけたりとか」
「うわぁ、一番よう分からんくてタチ悪い人やん」
「ほんまに!
それで聞き流せたらいいんやけど、メンタルの状態によっては全部真に受けちゃうねんな〜」
それで結構、精神的にダメージくらう。
「……まぁAの仕事してるとこ見たことないけどさ、Aのことやから全力でやってるんやろ?」
「っ……」
長い睫毛に縁取られた目が、柔らかく私を包む。
「まぁ、手ぇ抜いたことはないけど……」
「ほら、やっぱそうやん。
……どんなにちゃんと仕事してても、変なこと言うてくる人はいるもんやで。やからもう忘れ」
そう言って目尻を下げるこーじに、
なんとなーく、胸の中がざわざわしたのは多分気のせいやと思う。
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レイ(プロフ) - やいさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！もう少しペースを上げて更新していくので、お付き合い頂ければ嬉しいです。 (2021年4月30日 23時) (
レス) id: 836a209a6b (このIDを非表示/違反報告)
やい - 素敵なお話すぎて続きめちゃくちゃ気になります…！ (2021年4月30日 1時) (レス) id: cf87cebb1a (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 名無し63259号さん» ありがとうございます！ちゃんとスー頂きました(笑) (2021年3月15日 23時) (レス) id: 74aabe9229 (このIDを非表示/違反報告)
名無し63259号(プロフ) - さいこうです！更新頑張ってください！スーをさしあげます！！ (2021年3月10日 8時) (レス) id: d883dc3306 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春 | 作成日時：2021年3月8日 1時
