この世界では、 (ページ2)

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「……あ、あの。すみません。」
「えっとー、私？」
「は、はい！先程のあれ、見えてましたよね？というか、戦ってたのを拝見したのですが、お話したいことがありまして……。」

正体不明の何かの次は黒いスーツを身にまとった男性が現れた。敵意は感じられず、むしろ味方……と判断するには早すぎるかな。

「あれの正体知ってるんですか？」
「はい。ですから、それについてお話をと思いまして。」

この人は私の知りたいことを知っているし、それを教えてくれようとしているらしい。警戒心は解けないが、とりあえず彼の話に乗っておこうと思う。どうせ今は行く宛てもない浮浪人だ。

黒い車に乗り、どこかへと向かう。行先を聞いたが、知らない場所だった。そこへ向かう途中の景色を見ながら不思議な感覚がした。日本とイギリスでは文明の発展の仕方が違うのだろうか、何もかもがアップグレードされている状態に思える。そもそも私がマグルについてあまり詳しくないからかもしれない。

「着きました。」

彼が言っていたなんとか学校に着き、中に案内された。そう言えば、彼は伊地知さんというらしく何かのサポート役なんだとか。ここはその組織の拠点ってことになるみたいだけど、もし襲われたらちゃんと対処出来るだろうか。あまり攻撃的な呪文は使いたくないから、悪い人たちじゃないと良いなあ……。そんなことを考えながら、少し歩いたところに見えた扉を伊地知さんが開けた。

「やあ、待ってたよ。」

……いや、貴方誰ですか。目隠しした白い髪の男の人、椅子に座ってるから詳しくは分からないが身長は高そうだ。

「自己紹介が遅れたね。僕は五条悟、君は？」
「……AAです。」
「そんな警戒しなくて大丈夫だからさ、座って？少し僕とお話しよう。まず、オマエは何者？」

彼の口から出る言葉は優しいけれど、雰囲気から何からとっても怖い。逃げてしまいたいけど、敵に回すのも嫌だなあ。せっかくの帰国をこの人に脅えながら過ごすの勿体ないし。

「信じてもらえるかは分かりませんが、俗に言う魔法使いという者です。」
「それで？なんであんな所にいたの？」
「お話というか、まるで尋問ですね。」

今日起こったハイジャックと瞬間移動魔法に失敗した話をすると、何やら考え込む五条悟さん。信用するに値するか判断するには突飛すぎるだろうが生憎全て事実だ。私にとっても予想外だったんだから。
＿＿

伊地知さんがAに話しかけた時、五条さんは夏油さんのところ。