手の届かなくなった君へ。【iris】 (ページ4)

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楽屋での出来事。Ⅰ ページ4

「ん～何書こうかな」

不意に口から出た言葉。
そんなことも気づかず
僕は手紙の内容を考える。
するといむくんが反応した。

「あれ、しょうちゃん
　何書いてるの ?」

「いむくん。え～っと、
　幼馴染の手紙」

「えぇ ! そんなことしてるの ! ?
　LINEは ? 持ってないの ?」

煽り混じりの言葉を掛けてきた
いむくんを僕は無視して楽屋を出た。

" LINE持ってないの ? "

か . . .
確かになんでだろう。
LINEは持ってるんだけどな。
手紙の方がしっくりくるというか。

今思えばLINEよりも先に
手紙からだったからLINEはせずに
手紙なのかもしれない。

LINE、してみてもいいのだろうか。
僕たちの履歴はLINEアカウントを
親に教えてもらった時だけ話をして
終わっている。
それ以降はさっきも言った通り

" 手紙 "

だけだ。

そう思ってしまっては
止められないなと思ってしまったり。

結局かける勇気は出ず、
気付けば寝落ちして朝になっていた。