パン屑6個 ページ8
どうしようかと考えていると、表の戸が叩かれる
もう"CLOSE"の札を提げてあるのだが…
もしや昼間の連中の仲間か？
騒ぎを聞いて、報復でもしに来たのか…くだらねぇ
念の為にとフルーツナイフを隠し持ち
子供達に隠れている様に言い聞かせて戸を開ける
すると直ぐに、戸を閉めさせないようにと足を挟まれた
一般人でない事を理解すると同時に
その喉元にナイフを突き付け、有無を言わさず命令する
『直ぐに俺の店から出ていけ』
｢嫌だなぁ…約束守らなかったの君じゃないかぁ｣
間の抜けた声に、一瞬だけ力が抜けた
そこには、昨晩最後にパンを買って帰った客がいた
相変わらずの貼り付けた笑みが気に触るが…
敵意は見られないので、渋々ナイフを下ろした
『⋯悪ぃが、今日はそれどころじゃ無かったんだよ』
｢それどころだったら、来てくれてた？｣
嫌な物言いだ…と、言いはしない代わりに睨む
それでもケラケラと笑っている男
何者なのか、薄らと予想が着いていた
『⋯⋯今日は奥に入れられねぇ…
連れも居るなら尚更な｡悪いが、明日にしてくれ』
｢お、居るのバレてるって〜出ておいでみっどー｣
｢⋯⋯⋯｣
マントの下から顔だけを覗かせた男
何を言う訳でもなく、更には俺を見る訳でもない
なんの為に来たのか検討がつかないその男は
未だショーケースに並べられたままのパンを指さした
｢ｿﾚ 捨てちゃうﾉ？｣
『は…あー……いや、スラムの子供達に食わせるんだ』
｢ﾌｰﾝ…｣
｢素直に言いなよ〜1つくださいーって｣
｢ﾍﾞﾂﾆ、今日は買い物ｼﾆ来た訳じゃﾅｲｼ｣
『腹減ってんのか？なら、好きなの持って帰ってくれていい』
商品を見せるために渋々中に入れる
先にいた、笑顔を貼り付ける男は ショーケースの向こうの
キッチンの方を覗き込むようにしていた
みっどー、と呼ばれた男は、冷めたパンを端から端まで
品定めするようにじっくりと見ている
少しして、キッチンの方からパタパタと足音が聞こえた
"不味い"と思った時にはもう遅くて…
ラズが戸をくぐって表に飛び出してきてしまった
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます｡これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました！v.v.tの登場も熱い！応援してます更新ファイトです！(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年2月14日 18時
