パン屑48個 ページ50
当然のように言い切る
しかし、やはり納得はいかないらしく…
口々に文句を言う中で声を荒らげたのは、ブルーだった
ﾌﾞﾙｰ｢⋯なんなんだよ…じゃあ何で俺はこっちなんだよ！！｣
『ブルー…』
ﾌﾞﾙｰ｢俺だって！守りたいのに！力を持ちたいのに！！
いつもいつも勝手に決めて、俺達は置いてけぼり？！｣
『置いて行かねぇ為に連れてきたんだろ』
ﾌﾞﾙｰ｢ふざけんな！ここに連れてきたって頼んでねぇ！！｣
ｸﾗﾝ｢ブルー、落ち着いて…｣
ﾌﾞﾙｰ｢納得いくかよこんなの！！！
A兄ちゃんが部隊長になるなら俺はスラムに戻る！｣
そう言って、部屋を飛び出していった
いつかのように、その背中をクランが追いかける
ただ違うのは、ここがスラムじゃないことだけ
扉に手をかけたクランがゆっくりと振り返り、ぽつりと零す
ｸﾗﾝ｢⋯ちゃんと、考えて欲しかったです…Aお兄ちゃん｣
遠ざかる足音
それにつられる様にして、ナッツとレーズンも出ていく
残されたメンバーは、嵐のように流れた騒動に 呆然としていた
『⋯ラズ、行かなくていいのか？』
ﾗｽﾞ｢⋯うん…Aお兄ちゃんは、ここに居るから…｣
そう言って空いた隣の席に座り、手を握る
小さな小さな手は、Aの手を包み込めず…
それでも離さないというように、力強く握っていた
ﾗ｢⋯どーすんの？｣
『どうもこうもないだろ…』
ｺﾝ｢いやぁ、目の前で見せられちゃったら…ねぇ？｣
ｷｮ｢でも、A家ないなった訳やし…｣
ﾐﾄﾞ｢⋯⋯｣
ﾚｳ｢国営の集合宅は埋まってるんだっけ？｣
ｺﾝ｢そうなんだよねぇ…それに、身分証がないと…｣
もしも、このままAが部隊長にならないなら…
そう考えての話だった
しかしAはその気は無いらしく
ラズの手を引いて席を立つ
『ナカム、スマイル｡明日は魔法基礎をする
みどり、クランの教育はどこでやるんだ？』
ﾐﾄﾞ｢ｧ…図書施設……ｶﾅ？｣
『なら俺の部屋でやる｡一先ずまた夜｡一旦休ませてくれ』
ﾗ｢おー、ゆっくり休めよー｣
扉をくぐり、閉まると同時にため息が止まらない
分かっていたはずなのに…
いざ目の前にすると、どうしてこうも苦しくなるんだ…
理由なんて分からない
それでも、子供達の…苦しそうな、悲しそうな顔を思い出すと
心臓の奥がジクリと傷んだ
next→ら運営】元パン屋の秘密
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます｡これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました！v.v.tの登場も熱い！応援してます更新ファイトです！(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年2月14日 18時
