パン屑2個 ページ4
裏の勝手口を開けると、やせ細った子供達が何人か集い
震えた口調で尋ねてくる
｢ぁ、明日の、天気は……なん、ですか…｣
『⋯明日は、晴れる｡風もよく吹いて気持ちがいい日になる
暖かくなるから、川で水を浴びるには打って付けな日だろうな
これ、俺が飲みそびれた分も入れてあるから、飲んでくれ』
余ったパンと、何本かの飲み水が入った袋
中を見た子供達は嬉しそうに笑い、大切そうに抱えた
⋯こんなもので喜んでもらえるなら、俺も嬉しい
｢Aお兄ちゃん、いつも、ありがとうございます…｣
『いいんだ｡お前らにも手伝ってもらってるしな』
｢でも！それはお金もらってるし…｣
『いいから…折角作ったものを捨てるのも気が引ける』
申し訳なさそうにする子供達
⋯なにを植え付けて育てれば、こんな子供になるのか……
親の顔を見て説教を垂れてやりたい気分になる
しかし、そんなことをした所で意味は無い
親が分かれど、子が分かれど…
そこに、共にした時間が無いのなら きっと元に戻るだけ
『さぁ、早く戻れ｡街の巡回兵たちに見つかったら面倒だろ』
｢うん…またあした！おやすみなさい！｣
『あぁ、おやすみ』
ペタペタと、小さな音を立てて離れていく足音
巡回兵なんて言ったが、こんな裏までは見に来ないだろう
もし来ているならば、彼等は俺に縋る必要も無い
奴らはあくまで、国の利と成り得るものの周りにしか興味無い
裏の世界で、非力な子供が1人飢え死のうが…
明日の自分に影響など無い事を知っているから
『あぁ、嫌なことを考えた…早く片付けて寝よう』
明日も早い…それに、何だか面倒が起こりそうな予感だ
それも、ずるずると尾を引きそうな面倒事…
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます｡これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました！v.v.tの登場も熱い！応援してます更新ファイトです！(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年2月14日 18時
