パン屑24個 ページ26
｢すみません、少しいいですか？｣
そう声を掛けられたのは、廃屋に着く少し前
裏道には見合わない装いの人間が2人｡子供には見えない
『⋯わりぃが急いでるんだ』
｢少し質問したら終わりますから！｣
『なら尚更後にしてくれ｡子供が風邪をひく』
｢でも、貴方の子供じゃないですよね？｣
空模様は更に酷くなり、遠くで雷が鳴り始めた
向こうは引く気は無いらしく、上質な傘の下
俺の嫌いな笑みを浮かべてこちらを見ている
『⋯⋯だったらなんだ？
俺の子供じゃなかったら、体調の心配もしちゃいけねぇか？』
｢あぁそう意味じゃなくて！｣
｢俺ら冒険者なんすよ｡依頼で人探ししてて…｣
『⋯2人共、あとは帰れるな？コートは適当に干しとけ、暖かくするんだぞ｡後で薪を持ってくから』
ﾌﾞﾙｰ｢！やだ！一緒に帰ろ？ねぇ兄ちゃん｣
ｸﾗﾝ｢⋯わかった｡帰るよ、すぐ会えるから｣
やはりクランは聞き分けがいい
寧ろ良過ぎる程だが…今は助かった｡きっと、長くなるから…
2人を見送って、冒険者達を見る
この辺りでは珍しい髪色と目の色から察するに
冒険者というのは本当なのだろう
しかし、何の目的で裏道にいたのか
そして何故こんな雨の中人を探していたのか…
疑問点は多々あった
『早くしてくれ、俺も寒いんだ』
｢あぁ、すみません！えっと…｣
｢魔法使い、知りません？どんな成でも良いんですが｣
あぁ、成程…魔女狩りか……
魔女狩りの報酬は高くつく｡その遺体すら高値で売れるから
髪も目も、爪でさえも素材という名の価値のつく魔女は
普通の人間からしたら宝が歩いているも同然だ
『さぁな｡どんな依頼なんだ？魔法使いを探すなんて』
｢それは言えねぇっすよ｡知らないっすか？｣
『知らねぇな』
｢⋯⋯⋯｣
不信感がダダ漏れだ
眼差し、気配、行動の全てに警戒が見えている
多方俺が魔女だって踏んでるんだろ
正解だが、タダでくれてやる命なんてねぇんだよ
『依頼書はねぇのか？詳細が分かんねぇとなにも』
｢知ってますよね？｣
『知らねぇって｡じゃあ、俺は帰るぞ
こんな雨で風邪なんて笑えねぇからな』
｢この国の王は、魔法使いなんすよね？｣
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます｡これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました！v.v.tの登場も熱い！応援してます更新ファイトです！(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年2月14日 18時
