We compete....

27.ru ページ27

今日は全員での仕事だから、ちょっと早めに来た。


例によって昨夜は雨。


ふっかさん、絶対に早く来る。


ほとんど確信に近かったから、結構早い時間に着くように逆算して家を出た。


あまり早すぎても現場に迷惑をかけるだけだから、調整が難しいところ。


「おはようございまーす。」


「おはよう、ラウール。早いね。」


「おはようございます、舘さん。ふっかさん、まだ来てない？」


「毎度毎度メイクさんに申し訳ないからって、自分で髪の毛直しに洗面台のところに行ったよ。照もくっついて行ったから、もしかしたら....」


「俺も行ってくる！」


そんなの、そんなのってない。


パパがふっかさんの髪をブローしている画が頭の中に広がって、嫉妬で気が狂いそう。


大人しくなんてしていられないよ。


「....ラウール、ちょっと待って。」


「なに？話なら後で、」


「今は二人にしてあげようよ。」


「だめ！！」


「それはどうして？」


「もしも今パパがふっかさんに告白でもしていたらどうするの？ふっかさん、もしかしたらＯＫしちゃうかもしれない。別に自分が失恋するのは我慢できるけど、誰かのものになったふっかさんを見るのは....なんか、嫌なんだよ。」


「相当好きなんだね、ふっかのこと。」


「好きだよ。」


「照のことは嫌い？」


「....好き、だけど。ふっかさんへの好きとは意味が違うもん。」


「だったら今は我慢してあげてよ。照、最近ふっかとガッツリ絡む機会が少なくなって寂しがってるみたいだから。」


「舘さんはパパの味方なの？」


「別にどっちの味方でもないよ。だけどふっかが誰を選ぶのかには興味がある。」


「高みの見物ってやつ？」


「それに近いかも。」


「....俺、今は我慢する。だから、舘さん。俺に恋愛のこと教えてよ。これについてはたぶん、阿部くんより舘さんな気がする。」


「それは賢明な判断だね。阿部と佐久間のところは、なんというか....特殊だから。まぁ、年上女性を落とすなら急がず焦らずが一番だよ。これだけは絶対だね。」


「えﾞ....っ」


ドキッ....


待って待って....舘さん、今とんでもないこと言わなかった？


「ゆっくりと距離を詰めて、アクションを起こすなら自分に落ちたと確信した時....かな。」


「そ、それは....どうして？」


「年下男子にありがちな、焦っているのがバレるパターン。」


「....なるほど。」


「あ....もしかして、手遅れ？」


「助けて舘さぁん....っ！！」

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