We compete....

12.ru ページ12

俺達は大所帯グループだから、メイク台の椅子で寛ぐことも珍しくはない。


佐久間くんを捕まえて、じゃれて遊ぶフリをしてこの間の件について聞いてみた。


もう、一刻も早く知りたいんだよ。


すごいドキドキするじゃん、なんか。


それなのに何故か康二くんまでこちらに寄ってきた。


賑やかな方に足が向く習性でもあるのかなぁ？


でもまぁ、康二くんなら別にいいや。


どっかの誰かさんと違って、絶対俺のこと馬鹿にしたりしないもんね〜。


「なんかねー、家族で息子で可愛くてかっこいい....的なことは言ってたよ。あと、『身長越されて寂しい』って。」


「やっぱりそうか....。」


「まぁ十一歳も離れてたらそうなるよね。意識しなくても、何となく俺も『ラウールは弟』っていうイメージ抜けへんもん。」


「別に康二くんや佐久間くんにそう思われる分にはいいんだけどさぁ....。」


「ふっかにはちゃんと一人の男として見て欲しいんだね、可愛いねラウール。」


「佐久間くんも可愛いよ。」


「俺は？」


「康二くんも可愛い。」


「よっしゃあ！！」


はぁぁぁー....


最初はめちゃくちゃ嬉しかったみんなの弟ポジションが、まさか恋愛における障害物になるなんて思わなかった。


早く大人になりたいけれど、俺が大人になったらふっかさんはもう一段階大人になっているわけで。


いたちごっこ....って言うんだっけ、ねぇ康二くん。


合ってる？


「あ....そうだ、忘れてた。ラウール、どうやらふっかには好きな人がいるらしいぞ！」


「っ！？なんでそんな大事なこと忘れちゃうの！？」


「ごめんごめん。で、その人の特徴がまんまラウールなのよ！！」


「嘘でしょ！？」


「良かったやん、ラウール！」


「背が高くて、家族で一緒に舞台出た人だってさ。俺めっちゃテンション上がったよね、『ラウールじゃん！！』って！」


「マジで！？普通に考えても考えなくても俺じゃん！！」


「え....ちょっと、ちょっと待って！！」


「なんだよ、康二ももっと喜んでやれよ！」


「いや....その特徴やったら、照くんの可能性もありません....？」


「え、そうなの佐久間くん。」


「あ....まぁ、そうね。照もあるかも。いやぁ、一応我が嫁と考えたのよ。一晩中、『誰だろうね〜』って。でも俺、ラウールのくだりしか聞いてなかったかも。眠くてさぁ。」


「なんだそれーっ！！！」


もぅ、舞い上がっちゃって馬鹿みたいじゃん！！


これじゃ振り出しだよ....。

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