＿＿＿＿６ ページ6
You side.
ラ「何組？」
「え、」
ラ「名前は？」
「2年4組の、AA、です....」
ラ「Aね。じゃあそういうことで。」
先輩はくるりと踵を返し、私を置いて帰ってしまった。
.
「なんだったんだ....」
家に帰って頬をつねってみても、夢見心地で現実感はこれっぽちもない。
ただ、鞄の中には先輩に宛てた手紙もクッキーの袋も入っていなくて。
夢のようなそうでないような、そんな不思議な感覚を目が覚めた後も持ち続けたまま次の日登校した。
.
この日も先輩は昨日と同じように女の子たちに囲まれていた。
そんな先輩を横目に人集りをくぐり抜けようとした時、一瞬だけ視線が交わり先輩が少し微笑んだ気がした。
今....私のこと見て笑った、？
その後特に私に話し掛けるわけでもなく女の子たちの相手をしている先輩。
気のせい、だったのかな、
私はそのまま先輩に背を向けて教室に向かった。
.
それから先輩のことで頭がいっぱいになった私は、授業なんか身に入るわけもなくて。
あっという間に放課後を迎えた。
ひなた「今日どうしたの？ずっと上の空じゃない？」
ひなたが不思議そうに私に話し掛ける。
「あー....うん、ちょっとね、」
例えひなたであっても、こんなこと相談出来るわけがない。
ずっと憧れだった先輩は実は二重人格で、
たまたまその素顔を知ってしまって、
口封じの為に「彼女になってくれない？」と言われただなんて。
まぁ言ったって信じてもらえないだろうし、このまま黙って何事もなく....
『きゃ〜！』
帰り支度をしていると急に廊下が騒がしくなった。
ひなた「何？」
廊下を見るとそこには何故か先輩がいた。
ひなた「え、A！先輩来てるよ！」
「....う、うん、」
ひなた「何で行かないの？いつもなら物凄いスピードで行くのに。」
「あー....いや、えっと、」
ラ「AA、いる？」
ドアの柱に手を掛けて、私の名前を呼ぶ先輩。
ひなた「A、呼ばれてる！」
「い、いないってことにして！」
私は慌ててしゃがみ込んで机の下に身を隠した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - y?さん» y?様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ございません……お恥ずかしながら通知を見落としておりました🙇🏻♀️今更ながら感謝をお伝えしたく返信をさせていただきます…！嬉しいお言葉ありがとうございました！ (12月14日 20時) (
レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
y?(プロフ) - とんでもないぎゅんぎゅんをありがとうございます！続きが見たくてみたくて苦しいです！ (7月16日 20時) (レス) @page39 id: a8178521aa (このIDを非表示/違反報告)
ﾗ ｲ ｽ(プロフ) - cleamさん» わああ、自担なので嬉しいです（ ; ; ） (2021年4月29日 6時) (レス) id: 6d246c6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ﾗ ｲ ｽさん» ﾗ ｲ ｽ様＾＾渡辺くんの新作アップしたのでお知らせに参りました〜！笑 楽しんでもらえたら嬉しいです◎ (2021年4月28日 21時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗ ｲ ｽ(プロフ) - cleamさん» お願いします＾＾ (2021年4月27日 0時) (レス) id: 6d246c6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年4月15日 22時
