We change....2

1.fk ページ1

梅雨明け。


そろそろ夏物でも出しますか....と思い立ち、貴重な休日を衣替えに費やすことにした。


もう今年に入って六ヶ月も経つのね、早いわぁ。


お正月が終わったと思ったら節分、ひな祭り。


四月は新学期でバタバタして、五月に桜が咲いたと思ったらすぐに梅雨。


あっという間だわ、ほんと。


衣替えのついでに押し入れの奥の方も整頓しちゃおうかな、と奥の方に入っている段ボールを取り出した。


押し入れの奥まで半身突っ込んで....ってコラ、誰が国民的アニメのネコ型ロボットよっ！！


それにしても重いわね、何が入ってんのよこれ....


『照が使わなくなったトレーニング器具かしら』なんて考えながら、とりあえず掃除機で埃を取った。


ガムテープを雑に剥がして恐る恐る中を見てみる。


これ....本？


いや、なんとなく見覚えのある透明のカバーに入ったこれは。


「ママー？何してるの？」


ひょい、と顔を覗かせたのは予定のない日曜日なのにお洒落に手を抜かない次女・ラウ子。


中学生のくせに、生意気に色付きリップなんかしちゃってさ。


可愛い奴め。


私に似て美人なんだから、そんなのしなくたって充分素敵なのにね。


「衣替えしてたら、懐かしいもの見つけちゃってね。ラウ子も見る？」


「うわ、この部屋ホコリっぽい....」


「いいから見てみなって。お兄ちゃん達からかうネタにでもしたらいいわよ、こっちおいで。」


「まぁ、ちょっと気になるから見てあげないこともないけど....。」


あら、素直じゃないわね。


そういうところは照にそっくり。


「三人分のアルバム。これが翔太ので、こっちが亮子の。これは蓮のだね。」


「ラウ子のは？」


「アンタの写真は全部パソコンに保存してあるから、今度写真屋さんで現像してもらおうかしら。なんたって、ラウ子は文明の利器世代だからね。」


「ふーん....」


「ごめんって、今度ラウ子のアルバムも作るからさ。」


早速、青い表紙のアルバムの最初のページを開いてみる。


エコー写真が何枚か収まっていて、次々と捲っていくとやっと赤ん坊の写真が出てきた。


あぁ、懐かしいな。


そうそう、そうだった。


翔太は何故か、服やタオルに付いているタグが大好きでよく口に入れてたっけ。


この頃は可愛かったなぁ、今ではすっかり母親似のイケメンだもんなぁ。


「翔太くん、可愛いね。」


「でしょ？私に似たのね。」


「それはちょっと....ノーコメント。」


「なんでよっ！？」

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