スターゲイザー【短編集 / 3】

聖なる夜に【ラッキー】 ページ28

「第一位は…獅子座の貴方！」

ラッキー「よっしゃラッキー！」

ブリッジの椅子に座りながら ラジオで星座占いを聞き、いつもの口癖を発するラッキー。

A「また一位〜？ズルい…」

ラッキー「それはしょうがないだろー？」

A「…えー」

ラッキーと星座占いを聞く事が日課になっていたAは、いつも獅子座が一位という事に納得がいかない様子だった。

ラッキー「お前も自分の運を信じてれば、一位になれると思うぜ？」

A「そんなの…いや、やってみる」

コロッと表情を変えたAを見て、ラッキーは小さく笑い声をあげた。

「メリークリスマス！…という事で、今回私はとあるツリーの前にやってきました」

A「ツリー…？」

ラッキー「？何だろうな…」

「このツリーは特別で、想い人に気持ちを伝えると恋が叶う、といわれています」

ラッキー「っ…」

A「……想い人…」

そう言い、ラッキーの方をちらりと見るA。

ラッキー「…A？どうした？」

A「えっ…ううん、何でもない」

ラッキー「そっか。…あ！ちょっと俺、身体鍛えてくるな！」

A「ん、いってらっしゃい」

ラッキーはラジオの電源を切ると、トレーニングルームへ駆けていった。

A「…ツリー、行ってみようかな」

そう呟き、Aは自室に戻っていった。




そしてその日の夜＿＿。

A「…綺麗」

昼間にいっていたツリーの前に立ち、小さくそう呟く。

A「…なんで来たんだろ。いる訳ないのに…」

飾り付けられたツリーを見つめていると、後ろから声をかけられた。

「A…？」

A「えっ……ぁ…ラッキー？」

ラッキー「おう。どうした？こんなところで」

A「ら…ラッキーこそ、どうしたの？」

ラッキー「え、あ…それは…」

突然焦り出すラッキーに、Aは首をかしげる。

A「ラッキ＿＿っ！？」

ラッキーが落ち着いたかと思えば、急に抱きしめられた。

A「っ！」

ラッキー「……好き。A、大好きだっ…！」

A「っえ…ほん、と……？」

ラッキー「…あぁ」

するとAはラッキーを抱きしめ返す。

A「…僕も……大好き。ラッキーの事…っ」

ラッキー「！え…」

A「だから、ラッキーの事…大好きだって…////」

顔を赤く染めるAに、ラッキーは嬉しくなって抱きしめる力が強くなる。

A「ラッ、キー///」

ラッキー「…Aっ！

＿＿＿俺と、付き合ってくれるか？」


その言葉にAは優しく微笑み、返事の代わりにラッキーの唇にキスをした。

聖なる夜に【スティンガー】→←貴女だけの執事【ツルギ】(終)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す