スターゲイザー【短編集 / 3】

貴女だけの執事【小太郎】(終) ページ25

A「ん…美味しい…」

小太郎「もちもち…！」

二人は今、立ち寄った店で団子を食べていた。

小太郎「これはですね、みたらし団子っていうんですよ！」

A「へぇ…そうなんだ」

小太郎「他にもいろいろあるんですよー！」

A「じゃあ、今度また二人で食べに来ようね」

小太郎「！そうですね」

A「ん…食べ終わったし、そろそろ帰ろうか」

小太郎「分かりました。…はい、手を！」

言われるままに手を出すと、そのまま再び優しく手を握られる。


A「え……」

小太郎「あ、雨…？」

店を出ると、先程まで晴れていたはずが、雨がザーザーと降っていた。

A「ど、どうしよう…傘…ある？」

小太郎「えぇと…あ、あった！」

A「よかったぁ…これで帰れるね」

小太郎「ラッキーでしたね〜」

そう言い、小太郎はバッと傘を開く。

小太郎「…さ、お入りください」

A「…大丈夫？」

小太郎「え……あ、はい…っ」

背伸びをしながら傘を持っているためか、小太郎はぷるぷると震えていた。

A「…良いよ？僕が持つから」

小太郎「えっ、いや、そういう訳には…！」

A「小太郎、このままじゃ歩けないでしょ？」

小太郎「……はい」

小太郎が顔をそらすと、Aはそっと小太郎の手から傘を取る。

小太郎「すみません…お嬢様」

A「…？大丈夫だよ？」

小太郎「俺、執事なのに…」

A「…ね、小太郎。今日は帰るまで執事無し」

小太郎「えぇ！？あ、えっ…どういう事ですか…？」

A「だから、いつもみたいに僕に気を使わないで良いって事。敬語も無し」

小太郎「え、そんな…！」

A「僕の事は名前で呼んでね？じゃ、スタート」

小太郎「え！？あっ…え…と」

突然の出来事に言葉を失う小太郎。

小太郎「…なら、何しても良いんだよね？」

A「まぁ…基本は」

小太郎「じゃあ…」

小太郎はAを人気のない場所につれていくと、そのまま背伸びをしてAの唇にキスをした。

A「な、っ…ちょっ、小太郎…！？///」

小太郎「今は執事じゃないから。いつもできない事やりたいの」

A「そんなの、んっ…！///」

再び唇が触れ合い、Aは顔をそらす。

A「ほら、帰るよ…///」

小太郎「えー…あっ、これだけは言わせて！」

A「…？///」

小太郎「だーい好きだよ、Aちゃん！」

そうにこりと笑った小太郎に顔が真っ赤になったのを隠し、Aは小太郎と屋敷に向かって歩き出した。

貴女だけの執事【ツルギ】リクエスト→←貴女だけの執事【小太郎】リクエスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す