スターゲイザー【短編集 / 3】

貴女だけの執事【ラッキー】リクエスト ページ16

A「可愛い…」

そう呟いたAは、屋敷の庭で小鳥と触れ合っていた。

ちゅんちゅんと人懐っこく鳴いてくる小鳥に、Aは思わず笑みが溢れる。

「…あ！お嬢様見つけたっ！よっしゃラッキー！」

A「わっ！？…っ、ラッキー？どうしたの？」

いきなり後ろから声をかけてきたラッキーに、Aはびくりと驚く。

ラッキー「んーとな、お嬢様と一緒にいたかったから、捜してたんだ」

A「そっか…。なんか、嬉しい…かも」

ラッキー「…！俺も嬉しいぜ！
あ…そういえば、こんなところで何してたんだ？」

ラッキーがそう問いかけると、Aは小さく笑ってこう答える。

A「この鳥達と遊んでたんだ〜」

ラッキー「へぇ…。逃げないんだな」

Aの手に乗っている鳥達を見てラッキーはそう呟く。

A「うん…！いい子だよね」

ラッキー「でも、Aお嬢様もいい子だぞ？」

A「……えっ、え…？」

突然そんな事を言われたためか、Aは驚いたようにラッキーを見る。

ラッキー「え、どうした？」

A「い……や、どうもしてない…」

ほんのり顔が赤くなっているAに、ラッキーは少し嬉しそうな表情を浮かべた。


そんなとき聞こえてきたのは、みゃぁ…という弱々しい猫の声だった。

A「！…猫？」

ラッキー「…あぁ、猫の声だな」

A「…あっ、あそこ…！」

Aが指差した先には、木から降りれなくなっている猫がいた。

ラッキー「あんなところに…！」

A「助けなきゃ…っ」

ラッキー「おい！危ないだろっ！」

ラッキーが呼んだときには遅く、Aは木に登ってしまっていた。

A「っ……」

ラッキー「危ないぞ！降りてこい！」

A「…っ、やだ…！」

ラッキー「……っ」

あっという間にAは猫のところまで登りつめ、太い枝から動けていない猫に向かって必死に手を伸ばす。

A「こ…っち、おいで…！」

そう言うと、猫は震えながらもAの手に乗る。

ラッキー「良いぞ、そのまま降りてこい！」

A「う、うんっ…！」

そうAは猫を抱き抱えて頷く。


すると、突如Aの乗っていた木がぽきりと折れた。

A「っわ、あ……ｯ！？」

ラッキー「お嬢様っ！！」

ラッキーが咄嗟にAの方に駆け出すと、運よくラッキーの腕にAが落ちてきた。

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