スターゲイザー【短編集 / 2】

Happy HaIIoween【バランス】 ページ34

A「バランスっ、Trick or treat〜。
お菓子くれなきゃ悪戯するぞ…！」

バランス「あ！来た来た、待ってたよ〜っ」

ノリノリでAを部屋に招き入れるバランス。

バランス「へぇ…Aちゃんは黒猫かぁ、良いじゃん良いじゃ〜ん！」

A「あ…ありがとっ」

Aは片方の猫耳を触りながら小さく笑う。

バランス「あぁそうだ、お菓子だよね！ちょーっと待ってて〜」

A「オッキュー。
…あ、バランスは…カボチャ？」

バランス「そうそう！
ジャック・オ・ランタン、っていうんだって〜」

A「へぇ〜…バランス、キラキラしてて似合ってるよ」

バランス「サンキューでーす！
…あ！お菓子発見！」

そして、バランスは楽しそうにお菓子を渡す。

A「ん。ありがと、バランス…！」

嬉しそうなAを見て、何故かバランスも嬉しくなってくる。

バランス「んじゃあ〜、Trick or treat、Aちゃん！」

A「えっ、な、突然すぎるよ…！」

バランス「お菓子ないのー？さげぽよ〜…」

A「だって…貰いに来たのに
ちょうだい、って言われるなんて思ってなかったから…」

バランス「まぁそうだよね〜。
なら悪戯だね？Aちゃんっ」

A「うぅ…しょうがないなぁ…」

バランス「んー…どうしよっかな〜っ」

バランスは少し考えたあと、何かを決めたように「そうだ！」と言葉を続ける。

A「決めた…？」

バランス「うん！…いくよ？」

A「う、うん…っ」

バランスはAに近寄ると、Aの頬を優しく摘まむ。

A「ふぇっ…？」

バランス「わ〜！
柔らかいねっ、気持ちいい〜あげぽよっ」

A「わ、ひょっ…わら…んふっ」

バランス「あはは、めんごめんご！」

A「ちょっと痛かった…けど」

バランス「？けど？」

A「悪戯だから仕方ないよね…」

バランス「…もっと悪戯してもいい？」

バランスの一言に、Aは目を丸くする。

A「！？う、も…もうダメ…っ！」

バランス「答えは聞いてないんだけどねっ！」

A「うぁ、ちょ…ばらっ、す…！」

バランスはAの言葉を聞かず、また頬を摘まむのだった。

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