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「お母さん、ちょっと痩せた？」
母「あら、そう？」
「かずもそう思うよね？」
Aはいつも笑顔で弱音を吐かなかった。
そう、それならいっそいなくなりたいと泣いたあの夜から、泣かなくなった。
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「.......かず」
和也「ん？(笑)」
「私ね、もう一度横浜に行きたい」
和也「どうして？」
「初めてかずとデートした場所だから」
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もう、今や5年くらい前のこと。
それを覚えていてくれてるのが、うれしかった。
翔「外出許可ですか」
和也「はい」
なるべく、あいつの願いは叶えてあげたくて。
1日でいいから、と言ったら。
翔「外出許可ではなく、外泊許可をあげましょう」
和也「......へ？」
翔「最後かもしれません」
気付けば、タイムリミットはあと2ヶ月。
翔「安全に気をつけて、楽しんできてください」
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詩織「Aー、よかったね！」
病室に戻ってそれを伝えると、
Aは本当に嬉しそうに笑った。
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和也「じゃあ行こっか」
雅紀「いいなぁ、姉ちゃん！」
「へへ、いいでしょ」
特に治療もしていないし、
たまに熱が出るとはいえ、歩けるから。
病院側は車椅子を用意してくれたけど、
櫻井先生は置いて行きなさいと言った。
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"自分で歩いてどこかに行く幸せを噛み締めてほしい"と。
「デート、デート！」
語尾に音符がつきそうなくらい嬉しそうなAを、雅紀もお義母さんもお義父さんも笑って見ていた。
和也「何食べたい？」
「ハンバーグ」
和也「...はぁ？」
横浜ならもっと中華料理とかあるでしょ、って言ったら
かずの好きなものが食べたいって、満面の笑みで言う。
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俺の運転する車の助手席にいるAが目を輝かせるから、それ以上は何も言えなかった。
「あー、おいしい！これチーズ入ってるよかず」
俺にも自分のハンバーグを食べさせようとしてくるAごと、抱きしめたくなった。
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その後も山下公園とか、観覧車とか。
思うように満喫して、気づけば夜だった。
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宿でも取ろうか？と、つい先日言った俺を。
"いやだ。家に帰りたい"と言ったA。
同棲してたのも含めたら、もう3年くらい一緒に住んでた家だった。
何も変わってない家に、Aは嬉しそうにした。
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サキ(プロフ) - nishimuuさん» nishimuuさんありがとうございます！拙い文章でしたが、そう言っていただくことができ、うれしく思います。ありがとうございます！(*^_^*) (2018年8月1日 9時) (
レス) id: c1cfe62a37 (このIDを非表示/違反報告)
nishimuu(プロフ) - 泣いた。とにかく泣いた。 (2018年7月9日 10時) (レス) id: ef2baaeaa4 (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - Arsaさん» コメントありがとうございます(*^^*)そして私には勿体ないお言葉の数々、有り難いです。まだまだ拙い文章なのですが、こうしてコメントして頂きとても力になっています！本当にこちらこそお読みいただきありがとうございました！ (2018年3月17日 14時) (レス) id: 1cb00a2b1c (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - ちんぱさん» コメントありがとうございます。そしてこちらこそお読みいただきありがとうございます(^^)少しでも多くの方になにかが伝わればいいなぁと思って執筆していたので、とても嬉しいです(*^^*)ありがとうございました！ (2018年3月17日 14時) (レス) id: 1cb00a2b1c (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - れいなさん» コメントありがとうございます(^^)これからも嵐を書き続ける予定なので良かったら他の作品にも足を運んでいただけたらうれしいです♪ (2018年3月17日 14時) (レス) id: 1cb00a2b1c (このIDを非表示/違反報告)
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