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呪文80 ページ33

グレン「終わりだ。おまえの仲間は皆殺しになる」

しゅうっと体が焦げるのは気にせず、

展開した量産型を持って身を低くするのも束の間、私はグレンに後込む三葉の前へ移動する。

強引に、無理矢理に、自らと武器に神懸かり法を
巡らせたのだ。

ギギンッと激しく火花を散らして量産型と黒鬼がぶつかった。

痺れる腕に、思わず目をすがめる。

でも、折れなかった。まだ、できる。

グレン「あぁ、そうだお前がいたな」

グレンは刀を切り返す。

再び降ってきた攻撃を、わざと喰らった。

三葉を後ろに下げるためだ。

巻き込んで後ろへ吹き飛ばされながらも、途中で私はそこから離脱する。

あとはもう一度優にグレンと相対してもらおうかと思っていた。

しかし上手くいかない。

深夜が足止めをしているのが見えた。

少し呻いて、幻術をまた深くする。

もう全てが偽りにさえ見えてくる。

それでも優は深夜を抜けられないし、私がグレンを止めなくてはならない事実は変えられなかった。

グレン「それでやるか?」

A『他に何で?』

グレンは、度々幻術に飲まれて無駄な動きが目立つ。

しかし私の攻撃は通らない。

全て全て弾かれる。

黒鬼の攻撃は重い。受け流しても、腕が痛い。

この拮抗する攻防切り抜ける糸口が見つからない。

そればかりか、どんどん後退してしまうのは、
やはり私の方で。

長期戦は、体が持たない。それでも長く耐えれば優や君月がこちらへ届く。

しかし望みは薄い。

激しい刃物の打ち合いは、長いようでまだ数秒しか経っていない。

速い。数分でやる刀の動きを一秒に濃縮させたみたいで、ついていくので精一杯。

グレン「もう駄目だな」

振り払った刀を持っていない左手が、伸びる。

怯えるように足を下げた。

その左に持ちかえられた刀を弾けば、
今度は右手が迫っていたようで、
私は捕らえられる。

逃げられない。

力で勝てるわけもない。

A『……ん……っ』

首辺りを掴んだ右手は、そのまま私を地面に叩き付けた。

苦しげに呻くも、その力は弱まらない。

抵抗しようと槍を握る手も、

銃に伸びた手も、

全て捕まった。

彼がその体勢のまま、上半身だけを捻れば、

振るわれた鎌が弾きとんだ。

グレン「それ判断ミスだぞシノア
  指揮官は勝てない相手に武器を振るな」

実戦だったら、私を含め既に二人死んだ。

グレン「他二人は、遅ぇよ」

きっとこのまま、全滅だろう。

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cocolove420(プロフ) - 面白いお話で続きが気になります!これからも頑張って下さい!応援しています! (2017年9月30日 15時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルカーヌ | 作成日時:2017年4月5日 13時

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