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23、また来ん春と人は云ふ ページ28

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そう、判って居たんだ。



「お父さッ、」




リンタロウと同じような白衣の『親愛なる父君』は、自分の次女に全く興味を示さなかった。



……否、それは違うな。




「お父さんご免なさい、ご免なさい」


水を張った槽に何度も顔を突っ込まれ、その度に逃れようともがき、尚押し付けられる。


「ふむ……矢張り、目立った変化は無いか。全く、お前の異能が判明する瞬間が待ち遠しいよ」



異能力、当時のわたしにはまだそれが無かった。



マフィアの科学班……といえど忠誠心はまるでなく、その頃からわたしは父さんの友人だった闇医者のリンタロウに預けられることは屡々だった。


……今なら、判る。


父は先代首領の暗殺を企てていた。



「__お父さん、Aが可哀想だよ!」


嗚呼、これは姉か。



産まれて直ぐ異能が判明し、しかも強力なそれを持つ姉さんは父さんのお気に入りだった。



違うか、お気に入りと云う云い方は良くない。


父さんは確かに姉さんを愛してたし、姉さんもさっきみたいに度々わたしを救ってくれた。



そうだ、父さんが興味あるのはわたしじゃない。


わたしの異能だ。



「蒼空、姉さん」




姉さん、わたしは貴女が嫌いな訳じゃあない。



ただ、苦痛なんだ。




わたしは貴女より持ち物が少なくて、貴女はわたしより優しい。




負けたくないと思う人間に優しくされるのは苦痛だ。



それが何より負けている証拠だから。


***


父さんはリンタロウが首領になる前に抗争で死んだ。



その頃だ。


わたしに異能力が宿ったのは。



『触れたものを塩と化す能力』




これが父の呪いでないと云うなら何だろう。





だから、それを打ち砕く為に太宰兄さんの口調を真似したって云ったら、彼の人はどんな顔するだろう。




……別に、好きだった訳じゃあ更々ない。


でも、兄さんの中でわたしは姉さんのおまけだった。





わたしはやっぱり、独りだった。









__それでも、彼だけは




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設定タグ:芥川龍之介 , 文豪ストレイドッグス , 文スト   
作品ジャンル:アニメ
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羅生門 - 大丈夫かい?花川君。 (2021年3月31日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - 龍之介君、ツボ推そうか?君といたらこっちまで君に感情輸入しちゃって大変な事になりそうなんだ。…咳を止めたくば血を抜け。私もそうした。 (2021年3月31日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - 私の口癖、『可哀相』。それしか無いな。 (2021年3月31日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
どどるげふ(善逸大好き) - 更新お待ちしておりましたーーー!!!!! もう更新されないのかと思ってましたが、毎日覗きにきたかいがありました(>_<)これからも更新頑張ってください*(^o^)/* (2021年2月14日 20時) (レス) id: 6deb9162af (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - くりぇーとかさん» ありがとうございます!!自分たちの趣味ドストライクの子なので…!お気に召しました様でめっちゃ嬉しいです!!!何分そら豆の低浮上と私の掛け持ち(おい)でのんびりにはなってしまいますが…恨まず気軽に待ってやって下さい! (2018年12月20日 17時) (レス) id: 277371ed72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そら豆・千風 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年5月11日 20時

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