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ゆ｢ところで何描くか決まってるの？｣
『それがまだ決まってないの…』
と｢何かテーマとかあるんだろ？｣
『うん。たしか｢青春｣って言ってた』
て｢青春かぁ……｣
し｢……あ、こんなのどう？｣
しばゆーくんは何か思いついたと言いながら、屋上の扉の上に登りだした。
し｢今からここから飛ぶからいいタイミングで写真撮って!!｣
と｢おいっ、それ危ねぇだろ!!｣
て｢時をかけようとするな!!｣
しばゆーくんは｢えー｣と言いながら私達の元に戻ってきた。ここで怪我人が出たら大惨事だよ…それよりどんな絵を描こう。
ゆ｢そうだ！部活の様子描くのはどう？｣
『部活……それいいかも!!』
り｢だったら陸上部くる？先輩達には俺が伝えるから｣
『お願いします!!』
私はりょうくんにお願いして放課後陸上部にお邪魔することにした。
『お邪魔します…』
り｢俺近くで走ってるから何かあったら呼んでね｣
『うん。ありがとう』
りょうくんは他の部員のもとへ行き、私は何かインスピレーションがないか近くを探索した。
『うーん。無いなぁ…』
結局色々探してみてもピンと来るものが無かった。
少しでも早く見つけて描かないといけなのに…
て｢Aちゃん何か見つかった？｣
時間ができたのか、てつやくんとゆめまるくんが私の元にやってきた。
『ううん。まだなの…』
ゆ｢……あっ、見てみて。今りょうくんが走るところだよ｣
ゆめまるくんの言葉で私は周りを見渡す。
するとスタート地点にりょうくんがスタンバイしていた。
ﾊﾟｧﾝ!!
スタートの音と共にりょうくんはゴールに向かって走る。
なんだろう…私全然陸上について知らないけど、りょうくんの走りが綺麗で凄く絵になる。
て｢りょう頑張れー!｣
『……決めた。私りょうくんが走ってる姿描く』
ゆ｢えっ!Aちゃん、りょうくん描くの？｣
『へ、変かな…？』
て｢いいんじゃない？りょう喜ぶと思うよ!｣
『で、でもりょうくんには内緒だよ？』
て｢りょーかい!俺達だけの秘密だね｣
り｢何が秘密なの？｣
『り、りょうくん!?』
り｢何かアイデア浮かんだ？｣
『うん。なんとか決まったよ』
り｢えっ、何描くの？｣
『それは完成するまで内緒!』
り｢じゃあ出来たら1番に見せてね｣
と言いながらりょうくんはまたレーンへ戻り走る。
私も彼に気づかないよう、こっそりスマホで走る姿を撮るのであった。
『素敵な絵ができますように…』
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作者名：ぺぺぺ | 作成日時：2021年11月22日 0時
