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『…それじゃあ失礼します』
私は担任との話が終わり玄関へ向かう。
窓を覗くといつの間にか雨が降っていた。
あの天気予報当てにならないな…
でも折りたたみ傘持ってきて正解だったかも。
『……あれ？りょうくん？』
生徒玄関に行くと部活に行っていたはずのりょうくんの姿があった。
り｢あ、Aちゃん」
『部活は？』
り｢休みになったの。また体が鈍っちゃうね｣
『りょうくん傘持ってきてないの？』
り｢それが、しばゆーに持ってかれちゃって…｣
『そうなの？』
私は鞄の中から折りたたみ傘を取り出した。
『良かったら、一緒に入らない？』
り｢でもAちゃんバス通じゃなかった？｣
『まだバスまで時間あるから大丈夫だよ』
り｢じゃあ近くのコンビニで傘買うからそこまでいい？｣
『うん』
私は傘を広げ、りょうくんと2人で傘の中に入る。
だが、りょうくんの長身で傘が彼の頭にぶつかる。
『ご、ごめん…!!』
り｢こっちこそごめんね。俺が傘持つから｣
りょうくんは私の傘を持ってコンビニへ向かった。
雨は一向に止むことなく降り続く。
りょうくんは傘を持ったまま私の歩幅を合わせて歩いてくれる。2人で入ってるのに、あんまり濡れない私。
私はチラッとりょうくんの方を見ると、私の方ばかりに傘をあてていてりょうくんは半分濡れている状態だった。
『り、りょうくん!!びしょびしょじゃない!!』
り｢大丈夫だよ。大したことないよ｣
『でも風邪なんか引いたら…』
り｢俺、Aちゃんが風邪ひいて苦しむ姿見たくないから｣
『……ッ!!』
り｢Aちゃん大丈夫？｣
『だ、大丈夫!!ほら、コンビニ見えてきたよ!!』
りょうくんの何気ない一言で驚いた私。
どうしてだろう…胸の奥が何かおかしい……
何かの病気だろうか……？
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作者名：ぺぺぺ | 作成日時：2021年11月22日 0時
