特効薬は俺2

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としみつくんが躓いた弾みで一緒に倒れた私。
倒れた瞬間目を閉じてしまい、その後何が起こったか分からない。

と｢A？｣

そういえば前方にとしみつくんがいたよね？
普通なら、としみつくんに潰れてる私だが全然痛くもない。
私は閉じていた目をゆっくり開いた。

と｢A、大丈夫か？｣

目の前にはとしみつくんがいて、私を覆いかぶさった状態……所謂床ドンされていた。

と｢怪我してねぇか？｣

『う、うん。大丈夫…』

今私ととしみつくんの距離はとても近く、私の顔の横に手を置かれていて逃げる事もできない。

『としみつくん…』

また胸の鼓動が速くなっている。
彼に聞かれたらどうしよう……

と｢A…｣

としみつくんの顔が段々近づいてくる。
これってもしかして…と、力強く目を瞑る。

と｢……頭にゴミ付いてるぞ｣

『……え？』

としみつくんは私の髪に付いていたゴミを取って｢これ｣って見せてきた。

『あ、ありがとう……』

て｢としみつー。撮影始めるぞー｣

遠くからてつやさんから撮影再開のお知らせの声が聞こえた。

と｢今行くー｣

としみつくんは私から離れて解放された。
だが解放されてもまだドキドキしている自分がいる。

と｢A、大丈夫か？｣

『う、うん。道具探してくれてありがとね！』

としみつくんは｢おう。また後でな｣と、にっと笑って撮影部屋へ戻った。

……びっくりした。
私はヘタリとその場に座り込んだ。

さっきのアレは何だったんだ。
しかも顔と顔の距離が近すぎて今にでも……
あぁ！ダメ！思い出すと顔が赤くなってしまう。

それより早くここを片付けないと。
床に散らばった他の道具を1人で片付けていると、撮影に参加してない虫眼鏡さんが通りかかった。

虫｢サクラちゃん？｣

『虫眼鏡さん！』

虫｢大丈夫？手伝うよ｣

『ありがとうございます』

虫眼鏡さんも手伝ってくれて、すぐに片付けが終わった。

『ありがとうございます。助かりました』

虫｢ううん。それより、としみつとあれから進展あった？｣

『えっと…その…』

虫｢まぁ気長に待つしかないね｣

『あ、あの！アレ(・・)は見せないでくださいね！』

虫｢分かってるって！｣

私と虫眼鏡さんだけが知ってるアレ……

2人だけの秘密……それは────

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