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「川嶋さんって好きな人はいるの?」
『えっ?何で?』
「俺さ…川嶋さんの事……──」
俺はAが受けている授業が終わるまでロビーで待っていると、ちょうど高校時代の友人に会った。
この友人は高校時代そんなに遊ぶ機会が無かったが、俺が学祭の時Aに告った現場を見ている。
コイツはその後どうなったか気になってるのか、俺達の関係を聞いてきた。
「そういえば、小柳津と川嶋は付き合ってんの?」
て「えっ!?付き合っては…….」
「はぁ!?あの時皆の前で告ってたくせにまだ付き合ってないのかよ!?」
俺だって今にでもAと付き合いたい。
だが彼女は俺からの告白をどう受け取ってくれるのか……
彼女は遊びではないかと疑ってないか……
俺はどうすれば……
「あっ、噂をすればご本人やって来たぞ」
て「……ッ!!」
話をしてる中、授業が終わったAが俺達の元にやって来た。にしても、授業が終わった時間よりだいぶ遅く来た。何かあったのか?俺は疑問に感じていると友人が口を開いた。
「川嶋、授業終わってんのに来るの遅かったじゃん。もしかして告られてた?」
何言ってんだこいつは……早く2人きりになりたいのにと思っていると……
『……うん』
「「えっ!?」」
友人がふざけて質問したと思いきや、まさかの「はい」で答えるA。俺は嘘だと思ったが、Aは嘘つかないし少し困惑した表情だ。
「マジで!?どんな奴!?」
『同じ学部でよく同じ授業受けてる人』
「それで!?どうしたの!?」
『え?別に断ったけど。好きでもないし…』
「そっかぁ」
Aからの言葉で少しホッとしたと思いきや、今度は友人がAを口説き始めた。
「そういや川嶋、いつの間にか可愛くなってるじゃん!!高校の時男っぽかったのに」
『別に可愛くなんかは……』
「川嶋好きな奴いるの?」
『好きな人はいない……』
「だったら俺と──」
グイッ
て「A、帰ろう」
『えっ?あっ?てつや…?』
俺はAの手を引っ張り、無言のまま駅へと向かった。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2022年3月20日 19時