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しまった……
早く帰るつもりだったのに思いもしない時間に帰ってきちゃった。しかも、私の家に来て、って言うから、とんだ大誤算だ。
Aはもう寝ちゃってるよね。
俺は静かに玄関を開けて部屋に入ると、まだ起きているAの姿があった。
『……遅かったね』
て「おわっ!?A!!まだ起きてたの!?」
『うん……またあの子の所?』
て「うん。家に来てってごねられて…」
『……てつや、あの子と付き合わないの?』
て「えっ!?付き合わないよ!?付き合ってとは言われるけど……」
いきなりどうしたんだろう……やっぱり最近ずっとミキちゃんといる事が多いせいなのかAの様子が変……
するとAは俺の肩にポスッと頭を乗せた。
『……なんで』
て「……?」
『付き合えばいいのに…可愛い子と……』
て「A……」
『てつや……一緒に寝て?』
***
今日もAの布団で一緒に寝る俺。
Aは一緒に寝てって言ったっきり何も話してこない。寧ろ俺に背を向けて寝ている。
何も無いならこのまま寝ちゃおうかなと目を閉じてしばらく経ったあと、背を向けてたAがむくりと俺の方に寝返り俺の腕を掴んだ。
て「……A?」
俺が彼女の名前を呼ぶと更に俺の腕を強く掴む。もしかして起きているの?しかもこんなに近くにいると…
て「A……その、そんなにくっつかれると俺…」
『てつや……やめよう』
『もうこんな人生終わりにしよう…』
て「……え?」
『てつや……同居やめよう?』
目を開けると隣で寝ていたAが静かに涙を流してた。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2022年3月20日 19時