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『同居してくれない?』
Aの一言で驚愕する俺。
俺とAが同居……!?いきなり何を言い出すんだと俺は彼女に問いかけた。
て「どうしたの?何かあったの?」
『実は最近野沢さんが私の事付き纏うの』
野沢さんっていうのは、この前Aにご飯を誘おうと何度も言ってくるバイト先の先輩だ。
あれからずっとAを口説こうとしたり、家を突き止めたりストーカー行為をしている。
それが怖くなったAが俺に相談…いや同居という案を申し出たんだ。でもなんでわざわざ俺と同居なんだ?
て「どうして俺と同居なの?」
『てつやと同居したら野沢さんも私の事諦めてくれると思って……』
そうだよね。俺は彼女の彼氏役として立場だよね。同居は嬉しいけど、そこはちゃんと彼氏していたかったなぁと思っていると……
『てつやとの一緒の時間を増やしたい……』
て「……え?」
Aは好きな人より俺を選ぶの?
Aは後から『べ、別にてつやは友達として好きだから!!』と言われて少しショックだったが、俺を選んでくれて嬉しかった。
て「……分かった。一緒に住もう」
『ありがとう、てつや』
Aは優しく笑って俺を抱きしめてくれた。
俺ももし彼女が俺の事を好きにならなくても、彼女を必ず幸せにする…何があっても守ると誓いながら、彼女を優しく抱きしめた。
『てつや……』
て「なに?」
『残りの時間楽しもうね……』
て「……?ん、うん……」
彼女の最後の一言の意味が分からず返事する俺。
残りの時間って一体どういう事なんだろう……
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2022年3月20日 19時