俺の為に作ってくれ

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テツが掃除してる間、先に和菓子店に入るトシとシバ。

し｢いっぱいありますねアニキ｣

と｢おいシバ。店入る前に検温と消毒したか？｣

し｢…す、すいません!!今すぐ!!｣

［組長はウイルス対策に厳しい］

と｢にしても、どれも目移りするもんやなぁ。なぁお姉さん｣

『はい。なんでしょうか？』

と｢ここのおすすめはなんじゃろうか｣

『おすすめですか？でしたら、五平餅はどうでしょうか』

と｢ほう、五平餅か｣

し｢アニキ！大好物じゃないですか！｣

［組長は五平餅が大好物］

と｢そんじゃ、五平餅をいただこうか｣

『はい。少々お待ち下さい』

掃除が終わったテツが戻ってくる。

て｢アニキ、掃除終わりました｣

と｢おうご苦労。じゃが…検温と消毒はしてきたか？｣

て｢あっ、えーとその…｣

と｢馬鹿野郎！人様に迷惑かける気か!?頭からアルコール消毒ぶっかけるか!?｣

［ウイルス対策をしない奴には容赦ない］

て｢す、すみませんアニキ!!｣

(急いで検温と消毒をするテツ)

『おまたせしました。五平餅できました』

し｢アニキ、五平餅来ました｣

と｢おう。早速いただこうか｣

ｶﾞﾌﾞﾘｯ

て｢ん！美味い！｣

し｢噛めば噛むほど口の中に仁義が…｣

と｢……ッ｣

て｢アニキどうしました!?｣

し｢アニキ泣いてるんじゃ…｣

と｢ワシがまだ若けぇ頃に親父に五平餅をゴチになってのぉ。その時の味とそっくりなんだ｣

て｢アニキにとって懐かしの味ですか｣

し｢泣ける話ですね…｣

と｢……決めた。ワシここで五平餅作るで｣

［ここで五平餅作るで］

て｢え!?五平餅つくるってことは…｣

と｢組を抜けてここで働く｣

し｢組を抜けるんですか!?｣

と｢ワシはもう新しい道に進むと決めたんじゃ｣

て｢アニキ…俺ずっとアニキについていくって言ったじゃないですか!!｣

し｢テツ。アニキが決めた道じゃ｣

て｢アニキ……｣

と｢シバ…テツ…後のことは任せた｣

して｢ウッス!!｣

し｢姉ちゃん、アニキの事頼みます｣

『は、はい…』

と｢姉ちゃん…いや、姐さん。よろしゅう頼みます｣

(こうして2人は厨房へ消えたのであった)

［組長、達者で！］

[完]



【概要欄】

五平餅大好き

(編集 親分)

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