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仕事を休んでから数日が経った。
以前よりお客さんの数が減るも、いつ前みたいなお客が来るか分からず未だに仕事を休んでる。
のだが昼過ぎに母が私の部屋にやって来た。
主母「ごめんA。急用ができたから店番お願いしていいかな?」
『で、でも……』
主母「すぐ戻ってくるから。お願い!」
母は私の話を聞かず急いで店から出て行った。
私は渋々お店のホールに行くと、ちょうどお客さんは誰一人もいなかった。
このまま誰も来ませんようにと願うしかなかった。
だが1時間…2時間経っても母は戻ってこなかった。
今にでも誰かが来そうとオロオロしてると、ガチャっとお店の扉が開く音がした。
私は怖いと思い力強く目を瞑ると聞き覚えの声が聞こえた。
と「A!!」
そこには息を切らしてるとしくんの姿があった。
『としくん……』
私は恐る恐るとしくんの元に行った。
『久しぶりだ… と「どうして辞めたんだよ!!」』
としくんは私の声を遮って、まるで怒ってるように大声で話してきた。
『辞めたって何を…』
と「五平餅作るの辞めたって虫さんが…それに仕事も休んでるって」
『な、なんでもないよ』
私は作り笑いをし話を誤魔化す。
と「…お前嘘つくの下手だな」
そう言いながらとしくんは、私の目の雫を拭っていた。
そう…私は泣いていたのだ。
と「お前、俺のファンに目ぇつけられてたんだろ?」
私はとしくんの質問にゆっくりと頷いた。
と「どうして相談しなかったんだよ」
『としくんに…迷惑かけたくなかったから…』
私はそう言うと、としくんは私を優しく抱きしめてきた。
と「A……俺はお前が好きだ。だからお店に戻ってきてくれ。そして……
俺の為に五平餅を作ってくれ」
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年8月18日 22時