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『としみつさん!?』
て「大丈夫か!?」
さっきより顔色が悪い。それに体も熱い……
虫「熱あるんじゃ…」
と「大したことない」
虫「次の仕事も先方に延期の連絡を……」
り「そうだよ。今日はとりあえず帰って休も」
『……としみつさん、次の仕事は重大な内容で、視聴者さんを充分に楽しめたいと意気込んでたものなので……せめてテレワークという形で宜しいのなら……』
虫「ナリちゃん…」
としみつさんがあれほどこの仕事に意気込んでた事は知ってる。せめて最後までやり切るところを見届けたい。
と「迷惑はかけないようにする。……A準備頼めるか?」
『は…はい!』
私は急いで準備し、としみつさんも問題なくテレワークで仕事を熟す事が出来た。
気がつけば時刻は20時。
外は暗く、スタジオには私ととしみつさんだけになってた。
としみつさんからは「先に帰ってろ」と言われたが、体調不良の彼を置いとく事ができず、玄関の外で彼が出てくるのを待っていた。
『……!!としみつさん!!お疲れ様です!』
と「お前先に帰ってたんじゃ──」
体調不良のとしみつさんはまたフラフラな状態で歩くのもやっとな状態。
『こんなんだから待ってたんじゃないですか!今日はタクシーで帰りましょう』
私はタクシーを手配し、としみつさんを乗せて帰った。
『としみつさんマンション着きましたよ。調子はどうですか?』
と「さっきよりはマシになった……今日は助かった」
『……!!』
と「なんとか乗り切れたのは正直お前の力が大きかった……ありがとう」
としみつさんから初めてありがとうって言われた。
それにいきなりこんな事言われるなんて思わなかった──
『いえ…じゃ、じゃああの、お大事に!』
私は自分の部屋に入ろうとすると、としみつさんの方から「ガタッ」と物音が聞こえ、振り向くと辛そうに屈み込むとしみつさんの姿があった。
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作者名:コロッケ | 作成日時:2023年11月1日 5時