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としみつside
『い〜つ〜か〜おと〜な〜になって〜け〜しき〜が〜変わるだろぉ〜♪』
と「近所迷惑だ。少し黙れ」
俺は泥酔のAをおぶって家へ向かう。
店から出てもAの暴れっぷりは健在で、俺の歌を熱唱してる。
『あはぁー♪耳が冷たーい!気持ちいいー!』
さっきから俺の後ろで好き放題にしやがって…
今にでもここに放り投げてもいいんだぞ?
俺はまだ数口しか酒を飲んでなかったから理性を保っているが、たらふく飲んでたら俺もきっと同じことしてたんだな…
にしても、コイツは絶対アルコールはやってはやらんな。
『としみつさーん』
Aが俺を呼んでるが、どうせ酔っ払いの戯言だから無視して歩を進める。
と「……」
『としみつさーん』
『とs── 「なんだ!!」』
Aが何度も呼ぶから俺は足を止めた。
すると──
『私のこと……嫌い……ですか?』
と「……ッ!!」
さっきの勢いと真逆に大人しくなった。
なんだ?コイツ酔ってないのか?
それにこんな状態になっても俺の事気にしてるのか。
本当に抜け目のない奴だな。
と「嫌いだったら…そもそも面倒なんて──って、俺のこと嫌いなのはお前だら!お前そんなこ──」
『……メです。ダメです……』
Aの声と同時に俺に掴まる力が強まった。
『もう1回……としみつさんのこと好きになってもいいですか…?』
と「……ッ!!」
『あれがとしみつさんにとってただの治療でも、私は…私はどうすればいいんですか?』
治療か…なぁA……あれは俺にとっての──
と「A……俺本当は──」
俺が話そうとした瞬間、Aがいびきをかきながら寝ていた。
と「……馬鹿たれ。寝るなよ」
俺は寝ているAの頬にこっそりキスをした。
Aside
翌日。私は皆さんから昨日の事を聞いて、としみつさんに謝罪した。
『どうもすみませんでした!!皆さんから聞きました!!あの…あの……』
と「あぁ。まぁ色々酷かった」
『聞きたくないのですが…えーと…何が…』
と「俺の背中で鼾かきまくった挙句、涎まみれにされた」
『すみません!このお詫びは…!』
と「そうだな…ていうか本当に何も覚えてないのか?」
『…?まだ何かあるのですか?』
と「……!!いや、何でもねぇ」
と(言えねぇ…コイツが寝てる間に頬にキスしたなんて…)
『もう私禁酒します!酒癖悪い女になりたくない!泣』
こうして私は禁酒をする事を決意したのであった。
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作者名:コロッケ | 作成日時:2023年11月1日 5時