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と「ったく…そこにずっといると風邪ひくぞ。早く行くぞ」
としみつさんは私に向けて傘に入れてくれた。
どうしてこんな私を気にかけてくれたの?
『どうして私を……』
と「別にノロマなお前を心配してるわけじゃねぇぞ。ただ俺の使いが居なくなるのが嫌なだけだし……」
そんな事言って私を傘の中に入れてくれる彼。言っている事とやっている事は違うのに私の心の中は温かく感じる。
『ありがとうございます』
私は1つの傘の中に2人……所謂相合傘をして皆がいる車へと進む。
どうしてだろう……駐車場までそんなに距離は無いのに、とても長い道のりに感じる。
ここまま2人だけの空間にいられたらなぁ……とか考えてると、ブルっと肌寒さとくしゃみが出た。
と「寒いのか?」
『い、いえ。大丈夫です……!』
と「ちょっとこれ持ってろ」
としみつさんは私に傘を持たせると、彼が着ていたパーカーを脱ぎ私の肩に掛けてくれた。
と「少しマシになるだろ?」
『あ、ありがとうございます……』
傘だけじゃなく上着まで……私今日死んじゃうんじゃないか?
嬉しさと緊張感が試行錯誤しながら駐車場へと進んだ。
て「ナリちゃん大丈夫?濡れちゃったでしょ?」
て「ごめんね?後ろをちゃんと確認しとけば良かったのに…」
『大丈夫です。遅い私が悪かったのですから……』
り「にしても、あのとしみつが……ねぇ〜」
と「こっち見てニヤニヤするな」
虫「にしても、この天気だともう撮影はできないね」
て「……しょうがない。解散にしますか。このまま直帰しよー」
ニトロ爆弾「でしたら、ここから家が近い人から送っていきますよ」
し「だったら俺……」
と「Aから先に降ろしてくれねぇか?」
『……え?』
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作者名:コロッケ | 作成日時:2023年11月1日 5時