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と「ったく、顔色は悪ぃし目は落ちくぼんで脱水してる……変だと思っていたけど、理由は察する」
『……』
と「とりあえず食えるだけでいいから食え」
そう言いながらとしみつさんはお粥を掬い、ふーっと口でお粥を冷まし私の口に運んだ。
『熱っ…!!……美味しい』
何故だろう…作ってくれたのはりょうさんなのに、としみつさんが作ってくれた様な喜びが感じる。
けど、やっぱり頭の中にはあの時の彼の事が脳裏をよぎる。
『私不安で……としみつさんみたいに皆を笑顔にさせる動画作りをサポートしたいのに、皆さんに迷惑かけて……』
『自分がそんな事に関わっていいのかって……』
私としみつさんの前で弱音なんて吐いて…またバカにされ……
と「……」
あれ?いつもならガミガミと怒ってくるはずなのに……
『ば、罵倒しないんですか?』
と「は?」
『「甘えてんじゃねぇド新人」とか「ナメた事ばかり言いやがって気持ち悪ぃ」とか言ってたじゃないですか!?』
と「そんな事言った覚えねぇよ」
と「まぁ俺が好きみたいな動機でYouTubeの世界に来て、どうしても無理なら今のうちに辞めるんだな」
『や、辞めません!!』
と「どうしてだ?俺への当てつけか?」
『違います!!私なりにバディとしてやっていきたいから!!』
と「へぇ?」
『……ッ!!』
と「お前意外と面白ぇ事言うんだな。まぁどこのYouTuberのバディになりたいかはお前の勝手だが、どうしても行き詰まったら──
俺が鍛えてやるから覚悟しろ……A」
『……ッ!!』
としみつさん……今初めて私の名前を……!!
『……もしかして……スカウトですか?』
と「てめぇ…」
『あ、あのとしみつさん……ありがとうございます。色々言ったけど…としみつさんって思ったより、良い人ですね』
と「……はぁ?何言ってんだ?」
『ひっっ!?』
と「元気になったならさっさと出てけ!!撮影始まってんぞ!!」
『はいっっ』
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作者名:コロッケ | 作成日時:2023年11月1日 5時