シンデレラシンドローム (ページ18)

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あれから数週間──

R coffeeの仕事も慣れ、毎日お客さんに美味しいコーヒーを提供している。

仕事が終わる度りょうくんからLINEが来て“お疲れ様!!”“今日は暑かったね”とか気さくな励ましが毎日送ってきてくれる。

りょうくんも撮影とか忙しいのに……と思う事もあるが、りょうくんの励ましで毎日頑張れるのであった。

そんなある日、今日も仕事をしていると外から黄色い声が聞こえた。

もしかしてりょうくんが来たのかな？と思い、ちょっとワクワクしながら扉が開くのを待つとそこには……

『いらっしゃいませりょう──』

「……ちわ〜」

『としみつさん!?』

お店にやって来たのはりょうくんではなく、としみさんだった。

『こ、こんにちは。今日はお休みですか？』

と「いやー出るつもりの撮影が無くなって時間空いちゃったからコーヒーでも飲もうかなぁって来た」

『そうなんですね。どのブレンドにしますか？』

と「じゃあRブレンドで」

『わかりました。少々お待ちください』

オーダーを取ってすぐにコーヒーを煎れる私。
てっきりりょうくんが来たと思ってたのにガッカリする……

それに初めてとしみつさんに会った時、ちょっと怖そうな顔してたから話しかけにくいんだよなぁ……

『お待たせしました。Rブレンドコーヒーです』

と「ありがと」

としみつさんはコーヒーを受け取りゴクッと1口飲んだ。

と「………」

1口飲んだかと思えば何も言わずコーヒーを見つめるとしみつさん。もしかして美味しくなかったのかな……

『あ、あのー……』

と「……美味い!!」

『……え？』

と「よくここの飲みに来るけど、いつもより風味が良いっつーか……何て言えばいいんだろ……」

1人でブツブツとコーヒーの感想を纏めてるとしみつさん。簡潔でいうと私が煎れたコーヒーが美味しいってこと？

と「……あっ!!わりぃわりぃ。びっくりしたよな？」

『いえ、大丈夫です』

と「ほんとに今日のコーヒー美味くてびっくりしたわ!!Aコーヒー煎れるの上手いな!!」

『……ッ!!い、いえ…先輩達に教わったのそのままやっただけです』

と「そうなのか？これなら何杯でもいけるぞ!!」

そう言いながら残りのコーヒーを飲み干し、満足したのかとしみつさんの表情は笑顔に変わっていた。