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『──もうあんな事ほぼ毎日してくるから一時期変な噂も立ってたんだからね!!』
と「あぁそんな事あったなぁ」
『あれって狙ってやってたの?』
と「んー、半分狙って半分素だったな」
『素だったのは?』
と「最初はマジで美味そうだなって思ってた。お前いつも美味そうに飲んでんだもん」
『なにその理由……変なの笑』
と「別にいいだろ!!……なぁ1回だけ放課後に飲んだ時の事覚えてるか?」
『放課後……それって……』
そうジュースの話にはまだ続きがあったのだ───
***
とある日の放課後……あれはたしか掃除のゴミ捨てに行った際にとしみつが告白されてる所を目撃した時の事だった。
きっとあの子と付き合うんだなぁと思い、少しは気を紛らわそうとジュースを飲みながら帰ろうと自販機に行くと新作が入っていた。
このジュースとしみつ好きそうだな……と思っていると徐々に頭の中にとしみつの顔が思い浮かぶ。
……って!!自分の基準で選ばないと!!とつい自販機を叩くと新作のジュースのボタンに当たってしまい新作のジュースが出てきた。
『……はぁ』
私はジュースを取り出してストローを刺して口に入れた。あれからずっととしみつの顔が頭から離れず、ジュースの味が分からずにいた。
もう何もかもとしみつのせいだ……!!と思いながら校門の近くを歩いていると後ろから奴の声が聞こえた。
と「…あ、A。それ新作か?」
『う、うん……』
私はとしみつの顔を覗くと何故か表情が怖い。もしかして怒ってる?
と「なぁ一口くれよ」
『……しょうがないね』
断ったらもっと機嫌悪くなるに違いない。私は咥えてたストローを離し彼の方にストローを向けた。
としみつはいつも通りジュースを飲んでいると私は思いもしない質問をした。
『ねぇとしみつ……間接キスってどんな味?』
と「……ぐっゴホッ!!」
『ぎゃーっ汚ァッッ!?』
私の質問を聞いたとしみつは驚いてジュースを吹いてしまった。
『…なんてねー。冗談だよ』
何馬鹿な事聞いてんだろと後悔していると……
と「──ぇよ……」
『……え?』
と「くっそ甘ぇよ。お前とのだったら」
『……ッ』
あまりにも予想外な返事が返ってきた。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2022年1月7日 23時