シークレットノート【檜山光成】 (ページ10)

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「頭痛がする？」

内「はい…」

「吐き気とか目眩は？」

内「ないです…けど、ちょっとだるいというか…」

「他に痛いところとかはある？」

スポーツドリンクを口に含みながら首を横に振る内村くん。

「熱中症だね。とりあえず午前は安静にしておきましょう」

内「え…」

「記入シート書いてくれる？」

『はい』

記入シートに内村くんの名前と出席番号、症状を書いて先生に渡して確認してもらう。

「じゃあ、この紙を担任の先生に渡しておいてね」

新しくもらった紙には、休息届けと書いてあった。

これを先生に渡すってことは…。

内「さきちゃん！俺元気になった！」

『その嘘はさすがに分かるよ。さっきまでフラフラだったじゃん』

内「でもほら！これ全部飲んだし！」

『だって内村くん、借り物競争くらいからしんどかったんじゃないの？』

今思えばそうだ。

内村くんにマフラータオルを借りに行った時、いつも元気な彼が座ってボーッとしてたんだもん。

『それに、そんな状態で戻っても余計に心配されるだけだよ？』

内「先生！俺リレー出ていい？」

「ダメに決まってるでしょ」

なんでー！と救護テントの中で声が響く。

そうだ。内村くんリレーに出るんだった。

しかも今やってる玉入れが終わったあとの。

尚更早く言わなきゃいけない。

そんなタイミングで、次の保健委員がやって来た。

『内村くん、これ渡してくるよ』

内「えー、やだー…！」

『檜山くんにも言わなきゃダメだから！』

次の保健委員に引き継ぎをして、救護テントを出た。