シークレットノート【檜山光成】 (ページ7)

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お弁当とかの大きい荷物は教室に置いてきてるから、カバンの中に入ってる子が多かった。

「うっちー持ってるやつ、それマフラータオルじゃない？」

うっちー。

言われた方向へ目を向けると、マフラータオルを首にかけてハンディファンを顔の前に当てながらボーッと座ってる内村くん。

いつも一緒にいる元木くんや深田くんもいなくて、どこ見てるか分かんない。

『内村くん』

内「…ん？あ、さきちゃんだ。どしたの？」

『マフラータオル貸してくれない？』

内「いいよー、はいどうぞ」

『内村くんも一緒に来て欲しくて』

内「俺も？おっけー、ちょっと待って」

内村くんはハンディファンを置いて靴を履く。

何故か分からないけど、内村くんは私の苗字の咲本から2文字取ってさきちゃんと呼ぶ。

なんとも思わないから訂正したりしないけど、内村くんには咲本って呼ばれたことない。

内村くんと2人でゴールへ走って、確認係の人にOKをもらった。

結果は4位。

みんな意外と必死だったらしく、こんなにゆっくり探してた私はちょっと遅めだった。

退場して内村くんとクラスのテントに戻る。

『ありがとう。貸してくれて』

内「全然ー！それにしても暑いねー」

『本当にね。さっきボーッとしてたけど大丈夫だった？』

内「大丈夫！思ったより騎馬戦疲れちゃってさー」

『見てたよ。下の人大変そうだった』

内「そう、上に乗ってる人とか絶対落としちゃいけないじゃん？勝敗より俺そっちにヒヤヒヤしちゃって」

次檜山だよね？と内村くん。

テントへ戻ると、元木くんと深田くんが帰ってきてて、2人で内村くんのハンディファンを浴びてた。