シークレットノート【檜山光成】 (ページ6)

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体育祭当日。

6月は気温だけじゃなくて湿度も高い。まさに日本の蒸し暑い気候そのもの。

いつもおろしている髪も、今日は高めのポニーテールにした。

可愛い女の子たちくるくるに巻いた髪の毛をハーフアップとかツインテールとかお団子とかにして、キラキラやリボンも付いていて可愛い。

残念ながら私はそれほど可愛いポジションには立てないので、ほんの少し髪の毛を巻いて結ぶのはシンプルに。

クラスに欠席の子もいないし、みんなで円陣を組んで各々の競技や仕事へ向かう。

私も保健委員で救護テントに行かなきゃいけないけど、仕事はお昼前だから、基本的に午前はゆっくり競技を見れる。

クラスごとに設置されたテントの下にあるブルーシートに座って、友達とクラスメイトを応援する。

いくつか競技が終わると、借り物競争のアナウンスがかかった。

檜「咲本」

テントを出て入場門に向かっていると、後ろから檜山くんに声をかけられた。

競技は同じだけど、男女別で行われる。ちなみに女子が先。

檜「頑張ろうな」

『うん、自信ある？』

檜「意外と」

『お題何が出るか分かんないのに？』

檜「この学校、他と違って変なもの出てこないでしょ。メガネとか水筒とかじゃない？」

『そうだね。これって人の場合もあるの？』

檜「どうだろ。去年はあったよね、マネージャーとか校長先生とか」

『去年めちゃくちゃ走ってたよね、校長先生』

檜「さすがに爆笑した。あんなに走れると思わないじゃん？」

そんな会話をしながら入場門についた。

そのあとは檜山くんと別れて、言われた通りの順番で並んで待つ。

グラウンドに入場して、いよいよ自分の番。

最初の方に走るからめっちゃドキドキする。

走った先に机が置いてあって、黒い箱の中からお題が書かれた紙を1枚引く。

借りた物だけじゃなく、借りた人も一緒についてきてもらわないといけないらしいから、実質借り人競争。

【マフラータオル】

マフラータオル？長いやつだよね？バンドのライブとかで振り回したりしてるやつ。

みんなハンディファンは持ってるけど、タオルって意外と持ってない。

とりあえずクラスメイトがいるテントへ走ると、みんなに何だったー？って聞かれて、マフラータオルと答える。

男子も女子もハンディファンは持ってるけど、マフラータオルどころかタオル自体は手元にないみたい。