シークレットノート【檜山光成】 (ページ49)

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青「Aちゃーん！おめでとー！」

3日後。

スタッフルームで制服に着替えて椅子に座っていると、入ってくるなり私の肩をぐわんぐわん揺らしてくる青木くん。

『えっ、なんですか？』

青「檜山くんと付き合ったんでしょ？おめでとー！」

『あ、そうなんです…えっ、知ってるんですか？』

青「知ってるも何も、僕バンド組んでるって言ったじゃん？檜山くんと同じなんだよ」

『えぇ！？』

青「檜山くんから連絡あってホッとしたよ。良かったね。ちなみに檜山くんはドラムだよ」

青木くんと檜山くんが同じバンド！？

檜山くんがドラム！？

想像しただけでかっこよすぎて好きだから、それはバイト終わってからの楽しみで一旦置いておく。

『なんで言ってくれないんですか！？』

青「言おうと思ったときは確信なかったからね。でも僕、前に恋バナ振ったでしょ？同じバンドの子が最近ちょっと気になる子がいてーって話したじゃん。あれが檜山くん」

『たしかにそんな話もしたような…？』

青「そしたらお店に檜山くんが来て、Aちゃんが好きな人だって言うからビックリしちゃって」

『じゃあずっと真ん中にいたってことですか？』

青「うん、そうなる。わざわざ言わなかったけど。まぁでも、結ばれたんだし良かったじゃん！」

青木くんは超ニコニコで私の肩を叩く。

檜山くんも私みたいに青木くんに相談してたんだ。

『青木くん、ありがとうございます』

青「え？何にもしてないけど…どういたしまして？っていうか、その紙、何？」

その紙、と青木くんが指さしたのは私が手に持っていた1枚のメモ。

よく檜山くんと手紙を回しているのと同じ紙。

【いつになったら名前で呼んでくれる？】

【そんなすぐ切り替えられない】

【学校でも普通に呼ぶよ？Aって】

【それはダメ】

【なんで？減るもんじゃないよ】

【私のメンタルが減る】

【せめてココだけは名前にしない？A】

【分かったココだけの秘密だよ光成くん】

【くん付け？呼び捨ては？】

【これでもいっぱいいっぱいなの許して】

【可愛い】

これは昨日のやり取り。

ここにまで持ってきてニヤニヤしながら見てた私が悪いけど、青木くんに見せろー！って言われても見せたくないし、誰にも見せない。

だってこれは、2人だけの秘密のノートだから。