シークレットノート【檜山光成】 (ページ4)

今日:7 hit、昨日:45 hit、合計:122,805 hit

4 ページ4

昼休みのあとの5限目、国語ほど眠いものはない。

おばあちゃん先生はつらつらと文章を読むだけで、誰かを当てることもない。多少お喋りしてても注意しない。

そんな授業中、ウトウトしている私の机の端っこに四つ折りの紙が置かれる。

また絵しりとり？なんて思って檜山くんの方を見ると、ほんの少し口角を上げて教科書に目を落とした。

檜山くんの奥に見える、この前の絵しりとり戦犯3人組は机に顔を突っ伏して爆睡中。

絵しりとりではないのかなと思って四つ折りの紙を開く。

【体育祭、何出る？】

そっか、もうすぐ体育祭。

次の6限目はホームルームで、体育祭で出る種目を決めるって言ってたような。

【玉入れかな】

【玉入れクラスで3人とかだけど、ジャンケン勝てる？】

【そうなの？それ聞いたらちょっと不安かも笑もしダメだったら借り物にする】

【借り物そんなに走んないからいいかもね】

【檜山くんは何出るの？リレー？】

【いや、俺も借り物にするリレーでゴールテープ持たなきゃいけないから出れない】

【じゃあゴールテープ持ってる檜山くん見ておくね】

【なんでだよ笑リレー見ろって笑】

そんな些細な内容の手紙を回して、眠たくなる国語の授業もすっかり目が覚めた。

檜山くんと目が合って、お互いにクスッと笑う。

檜「ていうか、この授業でコソコソ手紙回さなくて良くない？」

『それはちょっと思った』

周りで会話しているクラスメイトを見渡したあと、またクスッと笑った。