シークレットノート【檜山光成】 (ページ27)

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文化祭当日。

ギリギリでジェットコースターが出来上がった。

教室全体を使っての工作となると、必然的に時間が足りなくなるのは目に見えてたし、ちょっとした言い合いもあったみたい。

だけどちゃんと協力して作り上げて、最終的には優秀賞も貰えた。

やっぱりこのクラス、本当に仲が良い。

文化祭が終わってすぐの通常授業の日。

いつもの時間帯で8時に登校してくると、黒板の真ん中に1枚のプリントが貼られてあった。

『なに、これ…』

クラスへの連絡事項かと思いきや、それは1枚の写真がプリントされていて。

私と檜山くんが一緒に帰っている後ろ姿だった。

意味が分からなかった。

印刷された紙を黒板から引き剥がす。

なに？どういうこと？いつ？どこで？どうやって？

写真を見直すと、2人の手には同じアイスが握られていた。

文化祭準備の日に一緒に帰ったときのだとすぐに分かった。

でも、なんで？どうして？

とにかくこれは、隠さないと。

全然関係の無い檜山くんにも迷惑かけることになる。

捨てることも考えたけど、一応折りたたんで持っておくことにした。

次の日。

『うそでしょ…』

また貼られていた昨日と同じ写真。しかも3枚。

誰がこんなことしてるの？

また黒板から引き剥がして回収する。

いつも早く来るのは私なはずなのに、どのタイミングで誰が貼ってるの？

しかもこんなところ写真撮られた記憶ないよ。

次の日。

『はぁ…？』

また貼られていた。次は5枚に増えてる。

次の日も、次の日も、その次の日も。

同じ写真を何枚も貼られる日が増え、枚数も増えていった。

気づけばこの1週間で合計20枚くらい貼られてて、回収する私にも限度ってものがあるし。

まだ誰にも見られてないからいいけど、こんなところ誰にも見せられない。

迷惑かけたくなくて誰にも言えないままだし、前までスムーズに出来てた会話どころか、手紙のやり取りですらぎこちなくなった気がする。

檜山くんは気づいてるのかな。