シークレットノート【檜山光成】 (ページ24)

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「はい！図星！」

「ビンゴ！」

『ま、待って！まだ何も言ってない！』

「じゃあ言い分は？」

『言い分って…。たしかに檜山くんは学級委員だしなんでも出来てすごいけど、別に気になるとかはないし…』

「でも手紙回してるじゃん」

『あれは檜山くんが回してくれるだけで』

「私Aから回してんの見たことあるよ？国語とかずっとやってんじゃん」

『それは分からないところがあったから！いくら眠たいおばあちゃん先生の授業でも喋るのは良くないじゃん？』

「手紙回してるのは認めるんだ？」

『それは…』

「にしても檜山のこととなるとよく喋るね」

「A、焦ると饒舌になるの」

「顔真っ赤なの気づいてる？」

そんなことない。気づいてない。

ちょっと仲良くなっただけ。

向こうにとっては恋愛対象の欠片もない。

友達のスタートラインにやっと立てたところ。

「お、噂をすれば」

「今から檜山来るって」

『えっ』

「部活終わったから行くーだって」

『…私、帰る！』

「あ！逃げるな！！」

咄嗟に荷物を持って、掴まれそうになった手をかわして教室を飛び出した。

下駄箱まで全力で走って、靴を履き替えたところで一息つく。

あんな話をしたあとすぐに顔合わせるなんて、できるはずない。

この脈拍の速さ、走ってきたせいだと信じたい。

檜「咲本！！」

でも、違うみたい。

振り返って檜山くんと目が合うと、また一気に脈拍が加速した。