シークレットノート【檜山光成】 (ページ18)

今日:52 hit、昨日:45 hit、合計:122,850 hit

18 ページ18

5限目、英語。

今日は先生が休みで自習になり、課題プリントを渡された。

最初は真面目にやっていたけど、みんな途中からは集中力が切れて、席を移動したり遊び始めたり。

そして意外にも夢の中へと意識がある檜山くん。

シャーペンを持ちながら、肘をついて頭がコクコクと上下に動いていた。

隣で元木くんたちがすごい声量で爆笑してるのに起きる様子もないあたり、部活で相当疲れてるんだなと思う。

なんとかして集中力を切らさず課題プリントを仕上げたのは授業が終わる10分前。

その課題プリントの隅に小さく書いてあったのは、「授業終わりに提出」の文字。

これ、みんな分かってるのかな。

もはや折り紙にしちゃって紙飛行機にして飛ばしてる子もいるし。

それに…檜山くん、このまま寝てたら白紙になっちゃうよね。

でもわざわざ起こすのも気が引けるし。

檜山くんのプリントを少し覗くと、残っているのは最後の方の問題だけ。

何を思ったのか私は、自分の答えをメモして檜山くんの机に置いた。

【部活お疲れ様合ってるか分かんないけど、参考になれば】

そんなメッセージを添えて。

相変わらず寝てても綺麗な顔してるな、なんて覗き込んでいると、向こう側にいた元木くんと目が合った。

それもめちゃくちゃニヤニヤして。

なんか面倒くさいかも。

そう思うより先に、椅子を持って私と檜山くんの間にやってきた。

『な、なに？』

湧「檜山のこと気になる？」

『え？』

湧「最近よく話すなーって思って。」

『そう？そんなつもりないけど…あ、このプリント提出って書いてたよ』

湧「は！？まじ！？やっば、全部終わってない！」

元木くんの声が教室に響いたのか、クラスメイトが慌ててプリントに取り掛かる。

そんなに慌ててもあと5分くらいしかないのに。

その騒がしさで、視界の隅にいた檜山くんが頭を上げた。

「A、最後の問題分かんないから教えて」

『えっと、最後はね…』

前に座っている女の子に話しかけられて、問題を教え終わると同時くらいに先生が入ってきてプリントを回収される。

6限目は体育だから、体操服を持ってそのまま教室を出た。

あそこで元木くんと会話を続けてたら、青木くんとの尋問みたいになりそうな気がした。