シークレットノート【檜山光成】 (ページ14)

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テスト最終日。

私は朝は早く来るタイプで、誰もいない教室でボーッとするのが日課。

特に考えてることはないけど、夏だと暑くてギリギリに来ちゃうと汗だくのまま授業に出ることなるから、それが嫌で中学の頃から朝は早く来るようになった。

気づけば夏だけじゃなくて年中そうするようになってた。

今日も1人で単語帳を広げていると、教室のドアが開く。

檜「うわ、涼し」

教室の奥にあるエアコンを見上げながら席に向かってくる檜山くん。

スクールバッグとは別に、テニスラケットを肩からかけていた。

檜「おはよう。今日めっちゃ暑くない？」

『おはよう。まだ梅雨もあるっていうのにね』

檜「それな。てか俺今日の英語やばい。勉強した？」

『したけど結構やばい。しかも先生テスト難しいって言ってたじゃん？めっちゃドキドキする』

檜「わかる。あと日本史もまだ覚えきれてない」

『待って一緒なんだけど』

2人でやばいね、なんて笑いながら単語帳を開く。

今日は勉強のためにいつもよりもっと早く来たからまだ8時にもなってない。

檜山くんもこんな時間に来るのは珍しくて、なんとなく気になった。

『今日は来るの早いんだね。勉強するため？』

檜「まぁ、一応。咲本こそいつもこんな時間に来てるの？朝来たら絶対いるから」

『いつもはこんなに早くないよ。私も勉強するため』

檜「それでも8時とかにいない？」

『うん、いつもそのくらい』

檜「何時に起きてるの？」

『6時とか？』

檜「はっや、俺まだ寝てるわ」

『準備遅いからさ、早く起きないと間に合わない』

檜「俺も毎日バタバタで家出てる」

『分かる、余裕もって家出れたことないもん』

檜「6時に起きてんのに？なんで？」

『分かんない』

おかしいじゃん、って笑われる。

でもそのあと「まぁ女の子だし時間かかるよね」なんて言われてちょっとドキッとしたのは気づかないフリ。