シークレットノート【檜山光成】 (ページ11)

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クラスのテントに戻る途中にいた担任の先生に紙を渡して、急いで報告しに行く。

ブルーシートに元木くんと深田くんの姿はなく、檜山くんは友達と話しながら座っていた。

『檜山くん！』

檜「咲本、どうしたの？」

『内村くん熱中症でリレー出れなくなった！』

檜「はぁ！？」

周りにいたクラスメイトもザワザワしだして、心配の声が飛び交う。

『だから檜山くん、代わりに出て！』

檜「えっ、まじで？分かった、すぐ行く」

檜山くんは靴を履いて、テントを飛び出した。

「うっちー、大丈夫なの？」

『本人は元気そうだったけど、体が言うこと聞かないじゃないかな。スポドリ飲んだからリレー出れる！って言ってたわりに、顔真っ赤でフラフラで全然大丈夫そうじゃなかったし』

「いや、ダメでしょ」

『うん、先生にも止められててちょっと拗ねてた』

「でしょうね」

『こればっかりは仕方ないよ』

周りの友達と話しながらブルーシートに座る。

1周200mのトラックを4人で4週走る、男子800mリレー。

気づけば1年生が終わってい、2年はすでに待機していた。

「じゃあ代わりに檜山くんがヒーローになっちゃうね」

『どういうこと？』

「うっちー、アンカーだったの」

『…え！？ってことは…』

グラウンドに響くピストルは、スタートの合図を知らせる。

同時に、一斉に土を踏み込む音が聞こえた。

「檜山がアンカーになる」