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Aside
ふっと意識が戻ってきて目が覚める。
隣を見れば彼の大きな背中があって、ちょっとの引っかかき傷に申し訳なく思う。
その傷に優しく触れて身体をくっつければ、背中越しに伝わる穏やかな心音。
謙「おはよ、よう寝れた？」
甘ったるい声でそう言って身体の向きを変える謙杜。
まだ眠気が残る私の髪を何度も撫でながら、ぎゅっと私を抱き締める。
謙「んふふ」
『なに？』
謙「めっちゃ幸せやなぁって」
私と謙杜は、あの大学の学祭の出来事から4年後、婚姻届を提出した。
挨拶する時の謙杜はガッチガチで、正直今思い出しても面白い。
でもお互いの仕事が上手く合わなくて、結婚式を挙げたのは婚姻届を出した1年後で、それはつい昨日の話。
疲れてヘトヘトだったはずなのに、触れてしまったら止まることなんて出来なくて。
結局寝たのは明け方だし、起きた今は昼過ぎ。
それでも、私と謙杜はこれまでにないくらいの幸せに浸っていた。
高校の時からずっと付き合ってそのまま結婚するなんて、そんなアニメみたいな話を誰が想像した？
謙「A」
『ん？』
私はこの先、長尾Aとして、謙杜の妻として、一生彼に添い遂げる。
謙「これから一生かけて守っていくから」
昨日も聞いたその言葉は、なんでか昨日よりも私に響いた気がした。
『…うん』
謙「俺から離れんといてよ」
『離れるわけないじゃん』
謙「ふ、せやな。俺も離す気ないし」
身体が少し離れると、とろけたような、でも真っ直ぐに向けられる謙杜の目があった。
謙「愛してんで」
私が返事をする前に、唇は優しく塞がれてしまった。
ーーーーーーー
彼はいつも
「おはよ。腰大丈夫？」
私に
「今日すき焼き！？よっしゃー！」
構ってくる
「ごめん、充電させて…」
なんで？
その答えはもう、出会った時から分かっていたのかもしれない。
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
