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謙杜side
ずっと俺の手を握りながら褒め倒してくれる彼女は、正直まじで恐ろしいくらいに可愛い。
1人で彼女バカを発動してると、そんなAの表情が曇り始め、俺を見つめる瞳から静かに涙が零れていく。
ほんまついさっきまで一緒になって喜んでくれてたやん。
なんで？急にどしたん？
謙「…さっきまで喜んでくれてたやん。なんで悲しそうな顔すんの？」
『わかんない…』
涙を拭いながら無理やり笑みを作るAを見て、やっぱり俺が無理させてたんかなと感じる。
せっかくのカップルになれたのに、ずっと遠距離で、電話とメッセージだけで、逆によく耐えてくれたなと思う。
でも今の話の流れからして、それもあるけど多分、本命はそれじゃない。
俺が遠くに行ってしまわんか、不安なんかな。
絶対、そんなことせんのに。
謙「なんで泣いてんの」
『…わかんない。でも嬉しいんだよ？謙杜の仕事が決まって、謙杜の夢が叶って』
謙「一緒に嬉しい言うてくれんのは俺もめっちゃ嬉しいで？でもAの泣いてるとこ見たら、心配の方が勝ってまうわ」
『…分かった、泣かないようにする』
涙の跡が残った顔のままヘラッと笑う彼女は、最後に見た時よりも随分大人になってて。
柔らかそうな髪を耳にかける仕草に、きゅうっと心を掴まれる。
Aは、俺に泣いてるところを見せんように笑顔作って頑張ってきたんかな。
今までにも、Aに寂しい思いさせて電話で泣かせちゃったこととかあったけど、やっぱり直接見る涙ほど辛いもんはない。
優しいAにいつまでもそんなことさせたらあかんな。
謙「やっぱうそ、もっと泣いてええよ」
『えっ』
俺の顔があまりにもニヤニヤしてるからか、不審がった彼女はベンチから腰を上げて逃げ足になる。
獲物を狙うような体制で俺も立ち上がると、くるりと向きを変えたA。
走り出したAを2秒で捕まえる。
謙「サッカー部舐めたらあかんで！」
『だってめっちゃニヤニヤしてたじゃん！怖いよ！』
謙「なんやて〜！」
『ちょっ、まって、くすぐったいからっ！！』
脇腹をこしょばすと、ゲラゲラ笑って身体をねじりながらぺたんと床に座り込んだ。
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檸檬の妹(プロフ) - 完結おめでとうございます！ずっと前から読ませていただいて、作品がとても面白かったです！アナザーストーリーもしっかり読ませていただきます！ (2022年12月4日 11時) (
レス) @page50 id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 下書き、頑張って！！応援してます！！ (2022年8月16日 9時) (レス) @page27 id: 64ad605d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずべりぃ | 作成日時：2022年7月1日 21時
